嘘ツキ彼女とニセ彼氏。番外編 (ページ8)

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赤Side
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Aとケンカした次の日、彼女は学校を休んだ。

「何でやろ……。
俺に会いたくなくて休んだんか？」

さすがにそれはないと思うけれど、何の連絡もないのは寂しかった。

昼休みになっても、Aはおらへんし。

「どうしよっかなー」

「今日は彼女のお弁当ないんですか？かっわいそーう」

突然生意気な声が聞こえ、眉をひそめながら振り返る。

予想通り、小瀧だ。

「今日は中間おらへんで」

小瀧は特に驚いた様子もなく答える。

「知ってますよ。風邪でしょう？」

「は!? 何で知っとるん？」

風邪だったのか。

俺は知らなかったんやけど。

「LINE来てましたから」

「はぁ!? いつのまにLINE交換してんねん！」

「委員の用事で連絡する事もありますし、けっこう前に」

ひどい……！

俺には何の連絡もあらへんのに、小瀧にはLINEしとるなんて……！

「それで今日ここに来たのは、中間先輩のクラスで配布する用紙を、変わりに配るためです。
はい、これ配っといてください」

小瀧は持っていた紙の束を俺に押し付けた。

俺はそれを適当に教卓の上に置いた。

小瀧はにやにやしながら俺を見ている。

「……何やねん」

「中間先輩と、ケンカしたんやって？」

俺は深い溜め息をついた。

そんなことまで話したのか……。

「重岡が私のどこが好きかわからなーい、とか言ってましたけど？
重岡先輩って、女は日替わり定食や！みたいな顔してそういうの下手くそなんですね」

「うるせー。
俺はお前と違って、口から出まかせ言うのは苦手なんや」

「ちゃーんと慰めてあげたほうがいいんやないですかぁ？
じゃないと、横からさらわれちゃいますよぉ？」

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