2 ページ46
爆発呪文を唱え、グレイバックは大きく爆発する。爆発呪文は悪戯仕掛人のお気に入りだ。何より派手で目立つ。高学年になってからは爆発呪文よりも修復呪文ばかりを唱えたけれど、それでも爆発呪文は僕の得意な魔法の一つだ。
失神したグレイバックを縄で縛る。魔法は想像力だ。それはそれはきつく縛っておいた。彼の戦闘不能を確認して近づく。彼の顔は醜くゆがみ、主に顎が変形している。きっと、これで人狼を増やすこともできないだろう。俺は安心して、戦場を駆け抜けた。
ピーターを見つけて声をかける。彼も無事分霊箱を破壊することができたようで、死喰い人と対峙していたようだ。二人で背中合わせになって魔法を繰り出す。人間も人狼も吸魂鬼もいて、攻撃魔法、防御魔法を繰り返していく。
「ピーター！リーマス！」
Aが僕らの名前を呼ぶ。彼女の声はよく通る。高くもなく低くもなく、変わった特徴もない彼女の声だが、聞き漏らすことがない。学生時代も、彼女はよくけらけら笑い、はきはきと話す人だった。
彼女は振り返った僕たちに、縄で縛られたセブルスを投げつけるように浮遊呪文で飛ばしてきた。僕たちはそれをキャッチして戦線から離脱した。ヴォルデモートの目が届かない、茂みの中に隠れると気絶をしていたはずのセブルスはむくりと起き上がった。
「残りの分霊箱の場所を知っている。ついてこい」
セブルスはすぐに立ち上がって僕たちに言う。彼が追跡魔法を唱えると、ずるずると何かが這ったような跡が地面に光る。セブルスはそれを走って辿りながら説明してくれた。残りの分霊箱はロケット以外にもうひとつ、ナギニという蛇もあるらしい。蛇はロケットを飲み込んで逃げたのだという。蛇の跡を辿っていくと洞窟の中へと続いていた。
スタスタと戸惑いもなく進んでいくセブルスの後に続いて僕たちも暗い洞窟へと足を踏み入れた。僕たちはルーモスと唱えて杖の先から光を出す。中に入れば水浸し。かなり深そうだ。先頭を行くセブルスはゆっくりと水の中へ入った。僕らも杖を口で咥えて水の中へ入る。足はつかない。そのまま三人で泳いでいき、岩場に上がる。そこには小舟が置いてあった。
小船にセブルスが乗る。ぐらりと揺れた。次にピーターが足を踏み入れると、小舟をすり抜けて湖に落ちてしまった。そしてそんなピーターに群がる亡者。僕は慌ててピーターを引き上げた。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
