シリウス・ブラックを幸せにしたい転生者V

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「は、ちょっと待て、俺は聞いてないぞ」


私を抱きかかえるように座るシリウスは咎めるように私の手を強く握った。私はその様子に少し顔をしかめた。そして反論しようと思ったが、その前にリーマスがシリウスを止めてくれた。


「シリウス、こればっかりは仕方がないよ。セブルスの命にかかわる話なんだから」


別にシリウスを信用していないわけではない。だが、シリウスに話をする段階で誰かに聞かれてしまうかもしれない。だから何も言わない方がむしろ安全なのだ。リーマスがそう言うとシリウスは口を閉ざし、私の手を握る力を弱めた。


「ちょうど今、ダンブルドアを恐れたヴォルデモートが、死喰い人の誰かにスパイをさせようと考えているらしいの。それで、セブルスはそれに立候補をする、と」


そしてそれを機にセブルスは不死鳥の騎士団へ入り、ダンブルドアには死喰い人の情報の全てを、死喰い人には不死鳥の騎士団の情報の一部を流すという二重スパイをすると彼は私に報告した。彼もレギュラスと同じく事後報告で、決定事項だ。


「そして、ダンブルドアは秘密主義だから、どんな情報を死喰い人に流し、死喰い人から得たのか、そのすべてを団員に伝えることは無いと思う。だから、セブルスにはダンブルドアとの情報もこちらに流してもらうように頼んだ」


セブルスはリリーのためなら何でもする。私が提案したときも、言われなくてもそのつもりだ、と言った。もちろんその対価として最近にリリーの様子を話してあげた。幸せそうに結婚生活を送っていると伝えると、複雑そうな顔をしながらも嬉しそうにしていた。


「…僕たちは一方的にスネイプから情報を受け取るだけなのかい？僕たちから彼に渡す情報はないのか？」
「ただ情報をもらうだけだよ」


ジェームズは怪訝な顔をして疑問を出した。私の答えを聞いても納得がいかないようだ。リリーも同じようで、セブに何のメリットがあるの、と心配そうにしている。命の危険を冒してまでそうする理由は何か、と。


「リリーを守るためだよ」


私がそういうと、リリーは押し黙ってうつむいた。ジェームズも複雑な顔をして、彼に頭が上がらなくなってきたよ、と両手を上げて苦笑いした。


＿＿＿



夢主は学生のころから、ピーターの扱いに気を使っていました。自己主張が少ないので。彼女はそう思って今もなお接していましたが、彼は成長し、大人になっていました。

それに気が付き反省するお話でした。

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