Vampires' Meeting ページ14
当然フィリックスフェリシスは使っていないが、陽が落ちる頃には元手50ポンドは200ポンドになっていた。ルーレットだとかスロットだとかも楽しむことができた。一通り楽しんで、最初に教えてくれたディーラーの元に戻って再びブラックジャックを楽しんだ。
「A」
声を掛けられ、後ろを振り向くと高級そうなグレーのスーツを身にまとった強面のおじいさんがいた。私たちがこのカジノに来たのは祖父が定期的に開いている吸血鬼の集会に参加するためだった。このカジノは今私の後ろに立っている祖父の友人が経営しているのだ。当然、彼は吸血鬼だ。
「あ、ヘルシングさん！」
彼はエイブラハム・ヘルシング。彼の登場にディーラーは目を見開いて驚いていた。ヘルシングはAとシリウスを見て、目を細めてにっこりと笑った。
「君がシリウスだね。２人ともこっちへ」
ディーラーに感謝を伝えて席を立つ。私たちの手元にあるカジノチップを見て、ずいぶんと楽しんだようだね、と笑った。彼は私たちを連れてエレベーターに乗り、最上階の5階のボタンを押した。エレベーターから降りると、カジノの騒音は一切聞こえなくなり、優雅な音楽が控えめに流れている。
重たそうな扉の前には護衛のような人が２人付いていて、ヘルシングが声をかけると扉を大きく開いた。目の前に広がるのは広い部屋で、大きなテーブルが一つ、そして大量の椅子がテーブルを囲むように配置されている。テーブルの上にはシルバーとワイングラスが置かれている。
すでに私たち以外の人は来ていたようで、二人分の椅子しか空いていない。部屋の端に姿勢よくたっていたスーツの女性が私たちの座る椅子を引いて待ってくれているため、ヘルシングの横の席に座った。
「さて、今月の定期報告会を始める」
そう号令をかけたのは私の祖父であるノスフェラトゥだ。彼は真っ白な肌に真っ赤な瞳、真っ白な髪ととても幻想的な姿をしている。年を取り、より美貌に拍車の掛かった彼は、いわゆるイケオジというやつだ。
「まずは私の孫を紹介しよう。A・オルロックだ。その隣に座るのがシリウス・ブラックだ」
「よろしくお願いします」
私とシリウスは軽く会釈をした。そして始まった定期報告会では、日常で吸血鬼として生きるうえで不自由はないか、闇の陣営による被害はないかなど各地域の代表が情報を交換していた。そして、最後に私たちから魔法界の動向を共有する。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
