Emma Stone's Story ページ49
そんな彼女に勝てないと感じるのはすぐのことだった。それでも、幼い私はそれを認めてしまえば自分の生きる意味を見出せなくなってしまう。だから、彼女のせいにすることで自分を守った。
結果、自分を守っていたその行為は家族を壊してしまった。彼女が吸血鬼であることをバラした私は婚約破棄、その噂により家族は肩身が狭くなり、私のせいだと囃し立てた。築き上げた魔法界での地位は振出どころかマイナスだ。
友達はみんな離れていった。と、思っていた。私のそばに残ったのは、ゴシップガールのアンジェリーナ。あいつと同室の女。彼女は噂が大好きで何でも知っている。彼女に噂を流せば瞬く間に広がるからずっと利用してきていた。
そんな彼女は、私の周りに人がいなくてもちょろちょろと後をついてきては話を聞こうとする。そしてようやく気が付いた。この子は正真正銘の馬鹿である、と。
損得勘定で人付き合いをしていた私はようやくアンジェリーナの本質を見つめることができた。よくよく観察してみれば、噂好きの彼女はただただまっすぐで素直な子だった。噂が好きだなんて、人を陥れるのを生きがいにしていると思うじゃない。
彼女は素直だから、口止めをすれば言いふらしたりはしない。あいつが吸血鬼だとばらした後も、「それ言っちゃいけない話なんだって！エマ怒られちゃうよ、一緒に謝りに行こう！」なんて言ってきて、鬱陶しくて距離を置いてしまったけれど、思い返せば彼女は本気で私を案じて言ってくれていたようだ。
ただ、私の話を楽しみにして、どんな些細なことでも全く真新しいものを見るかのように目を輝かせて聞く。
卒業まで、正直肩身の狭い学生生活を送った。あいつに…いや、オルロックに少しでも近づこうものならシリウスに睨まれるし。未だ恋心を抱いていた私には辛かった。それでも、アンジーは私を遠ざけるでもなく近づけるでもなく、ただ接し続けてくれた。だから、まあ、つまり。シリウスにとってのオルロックは、私にとってのアンジェリーナだったということだ。
"友達"の意味をはき違えていた私は、彼女のおかげでようやく知ることができた。卒業してからも、彼女は相変わらず噂好きで、私の気持ちを知ってか知らずかシリウスとオルロックの結婚生活を嬉々として話す。まだ傷が癒えるのに時間はかかるけれど、このお馬鹿な子のおかげで少しは前向きになれた気がする。
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マールヴォロ・ゴーントの指輪
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ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
