Brothers ページ23
本当に特に用事もなくて。なんとなくここ最近Aと話していないな、と思ったので彼女をさがすことにした。しかし、誰に聞いてもAがどこにいるか知らないと言うので、俺は何となくつまらなくなって廊下を徘徊しつつAをさがした。俺に声をかけてくる女はたくさんいるのでその一人にAを見ていないか聞いたところ、音楽室に居ると聞いた。
そうして音楽室に到着すれば、レギュラスと肩を寄せ合って座り込むAが居た。その空間は穏やかで、やっぱりAとレギュは相性がいい気がしていたんだ、と心の中で誰に向けることもなく主張した。
恋仲かと少し疑ったが、レギュは音楽仲間だと言い、その目はただの友人だから気にするな、と確実に訴えていた。俺がAを好いていることなんて弟にはお見通しのようだった。
なんとなく元気のないAをこちらに寄らせて頭をなでていれば、小さい寝息を立ててAは寝始めた。ちゃんと確認しないと呼吸しているかわからないほど浅い呼吸に、少し不安になった。
「いつから仲いいんだ？」
「3か月前くらいですかね。ここに来るときはすごく静かですよ、Aさん」
俺はその言葉を聞いて、当然だと思った。Aはきっと自分が思っているほどに繊細で、明るくふるまうのにも精神を削っているのだろう。しかし、別に明るいAが偽物であるわけでもなくて、暗いAが本当のAであるわけでもない。ただ本当に明るくふるまうのに疲れてしまっているだけだ。
「なあ、レギュ。家は、辛くないか？」
「…あなたがそれを言うんですか…？裏切り者といわれる、貴方が…」
「悪い…」
無神経だった。レギュラスの表情を見て失敗だと思った。本来俺が継ぐはずだったブラック家は、このままいけばレギュラスが当主になるだろう。特に最近アンドロメダがマグルと駆け落ちしたことによって、より純血を守らなければならないという意識が働いている。その期待を一身に背負わなければならないレギュラスが、辛くないわけがなかった。
「…僕は、あの人たちを見捨てることができません。兄さんも考えを曲げることができない」
「…ずっと、悪かった。お前を一人にして」
謝って済む話ではない。しかし自分のたった一人の弟だ。俺だけがのうのうと家を離れて幸せに暮らすのはきっとお門違いだ。ずっと家の問題に目を背けてきたが、そろそろ向き合わなければならないようだ。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» ありがとうございます！長い作品ですが、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年1月27日 13時) (
レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - キメラ想像したらめっちゃ笑いましたwwまだ読んでいる途中ですが続きが気になって黙々と読んでいます。更新お疲れ様です、応援してます！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» つなぎ目だらけで舌を出すキメラを生み出してしまいました…wご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - フランケン・アインシュタインはおもろすぎるｗアインシュタインとフランケンシュタインは別物ですよ〜 (2023年1月25日 10時) (レス) @page8 id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - みーやんさん» ご指摘ありがとうございます！見当たる限り修正しました、ご迷惑おかけします。読んで下さりありがとうございました、これからもよろしくお願いします (2022年12月13日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2022年11月26日 20時
