【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ18)

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神なのにページ18

ウェンティside

「＿＿＿不安だったよ」

空から聞いたとき、嬉しい反面、どうしようもなくやるせない気持ちがあった。
折角帰って来てくれたと思ったら記憶喪失だなんて、と。

本当は君を心配させるような話も、こんな顔も見せるつもりなんて無かったのに。
どうしても耐え切れなくなってしまった。

ごめんね。今の君にこんな話をしても困るだけだろうに。

そう思っていたのに、君は親身になってボクの話を聞いてくれる。
記憶がなくなってもやはり君は変わらないなと、思わず胸が熱くなった。

「もう、こんなことしないでよね」

そうぼやいたとき。

『ウェンティ...？』

君の目が濁った。

あからさまに様子がおかしくなっていた。
辛そうに肩で呼吸しているし、目を開けて情報を頭に入れるのも苦しそうだった。

『...ぅ、』

フラっ...と手の上から零れ落ちそうになる彼を風で浮かせて、身体を支えた。
背中を擦りながら彼をしゃがみ込ませる。

『ぅ...ぅぁ』と、喉を絞められているかのようなうめき声を発する。

『＿＿＿っ、バルバトス？』

「！？」

ボクの名を呼びながら腕の中で意識を失う。

「ねぇ！ねぇってば！」

どれだけ呼んでも起きない。

(まずい...！)

彼を抱き上げて神像から飛びおりる。

(早く誰かに診せないと)

「？吟遊野郎！ ...！？ A、一体どうしたんだよ！」

偶然通りかかった知り合いに声をかけられる。

「！空にパイモン！いきなり倒れちゃって...」

「早くバーバラにみせないと！」

腕の中で、真っ白な顔をする君の無事を皮肉にも祈った。

～～～～～

「...っは」

勢いよく飛び起きる。

なんだかひどく唸されていた気がするけど...

「あ！起きたね」

つい最近も聞いた声が、上から聞こえた。

『バーバラ...僕、もしかしてまた倒れた？』

「倒れたから寝てたんでしょ？もう、心配したんだから。こんなに早い再開は望んでないよ、しかもこんな形で」

腰に手を置いて、ふぅ、と息を吐く。

「本当に気を付けてよ。...貴方の体は、貴方だけのものじゃないんだから」

と、優しく僕に諭した。
自分のことを話しているかのような、妙な説得力があったように思う。