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あんたってさ ページ19

教会を出て、階段を下りていくと一番下の段に座ってライアーを奏でるウェンティの姿が見えた。



「___、あ!」



降りてきた僕に気づくとライアーをしまって、一目散に向かってきた。



「良かったよ、君がいないとつまんないからね」



と、悪戯っぽく笑う。
なんだかそれが違和感というか、とにかく凄くもやもやした。



『...嘘ついてる?』



「え、」



心の靄が言葉になって出てくる。



『別にあんたを完璧思い出した上では言ってないからなんとなくだけど、でもちょっとわかった気がする』
『ウェンティってあんまり本音で喋らないだろ』



思っても見ない言葉に言葉を失っている様子だった。



「やっぱり、君は敏い人だなぁ」



そう言って僕に抱き着く。



「一瞬考えちゃった、また会えなくなるかもって」



その声はまるで神に縋るように弱弱しく、氷かけの水たまりのような脆さがあった。



抱きしめる力が一瞬強くなったかと思うと、ウェンティは僕を放してそのまま両手を握る。



「君ってば、本当に危なっかしいんだから」



そう言う彼の姿が、無い筈の記憶の彼と結びついた。



『バルバトス?』



その名を口に出すと、彼は大きく息を吞んだ。



「! 思い出してくれたの?」



思わず掴んで手を放して驚いていた。



『いや、名前だけ...』



「名前だけでも嬉しいよ! でも、出来ればウェンティのまま呼んでほしいかな」



あ、今度は本当に笑ってる。なぜかそう感じた。



(あれ? バルバトスって最初ここに来た時に騎士の人が言ってたような?)



確か、バルバトス様と大層な感じで呼ばれていた気がするけど...



『もしかしてウェンティって凄い人だったり?』



「僕はモンドの神様だよ」



『えっ!?』



あまりにあっさりなカミングアウトをされる。
まて、じゃあ今までの僕凄い不敬じゃない? やばいモンド出禁になるかも。



「今僕に対して、”とんでもなく失礼な態度取っちゃった、どうしよう”とか思ってるでしょう」



『は、はい...』



すっかり怯え切った僕を見て彼は可笑しそうに笑う。



「あははっ、大丈夫だよ。僕は寛容な神なんだから。それに君は特別」



そうやって笑うウェンティを一瞬だけかわいいと思ってしまった自分がいた。



(ホント調子狂うな)



でも、それが嫌だとは微塵も感じなかった。

ものしりパイモン!→←神なのに



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ぽんぴー - 数少ない原神BLありがたやありがたや。。そして面白いです。更新がんばってください!!!!! (2022年7月27日 2時) (レス) @page14 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎのくろた | 作成日時:2022年7月26日 0時

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