泣いた僕とスケッチブック[完]～side O～ (ページ18)

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18 side you ページ18

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サンドウィッチもはんぶんこ

冷たくなったカフェオレも智くんと分けた。

ぽかぽか陽気の中で、色鉛筆のすべる音を聞く。

幸せだと思った。

それだけで、幸せだと思った。

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大野「できたぁ。ふふん」

ジャーンと見せてくれた絵は

圧倒的な桜の存在感で

でも、よく見ると散ってる花びらはみんなハート型

繊細でかわいくて

智くんらしい桜の木だった。

パタンとスケッチブックを閉じると

ハイっと私に差し出した。

ハイ？

大野「それ、Aにあげる。」

え？

「え？そんな、せっかく描いた作品なのに」

大野「それは、特に公表しないから。

........俺とAだけの、思い出の桜だから。」

二人だけの、思い出の桜....

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そっとスケッチブックを開くと

最初のページには、

”桜”じゃなくて

.....私？

笑ってる私

え！

智くんを見上げると

大野「思い出した日に.....描いた」

そう言ってはにかんだ。

「すごい...よく似てる....」

"自分の顔だったからね、記憶力いいの。”とふんわり笑う。

ページをめくると

桜の木

下の方に”to A from satoshi"とローマ字でかかれ、今日の日付か入ってる。

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大野「もらってくれる？」

桜、

私もずっと、探してた。

たぶん思い出す前から、ずっと。

この桜は見てたのかな？

ずっと気づいてたのかな？

私の大切な人

大切な場所。

「.....いいの？」

声を出したのと同時に、また涙が溢れる。

「ありがとう」

うん、と言ってもう一度私をぎゅっとした。

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嬉しくて、嬉しくて

涙が止まんない。

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嬉しくて、涙が止まんないなんて私は幸せだ。