【3】智 SIDE ページ3
そう。
本当に、偶然だった。
セッティング待ちになってすぐ、何気なく座ったこの席から、二羽のハトが見えた。
何だか、仲よさ気にピッタリくっついてて“可愛いなぁ♪”って思いながら、何となくずっと眺めてたら…
彼女を見つけた。
“何してんだろ？ あの人…”
俺は、ハトから彼女へ視線を移した。
彼女は…空を見上げたり、植え込みを眺めたりしながら、時々カメラを構えてた…
“髪…長ぇなぁ”
“何、撮ってんだろ…”
そんなことを考えながら、彼女を目で追いかけていたその時、彼女のカメラがこっちを向いた。
“え…？”
一瞬、驚いたけど…すぐに、気付いた。
“ハトか…”
確かに和むし、可愛い。
シャッター押したくなるのも、よく分かる…なんて思ってたら、マネージャーが顔色変えて、走って行った。
“違うのに…”
言えないまま、今も彼女を見ている。
やがて…
マネージャーがカフェに向かって走り出し、彼女は歩き出した。
ﾏﾈ:「いやぁ…参った！」
潤:「俺らを撮ってたんじゃ、ないんだろ？」
ﾏﾈ:「あぁ…ハトだった。」
和:「“ハト”ですと!?」
“やっぱり…(笑)”
翔:「智くん。何で今、笑ったの？」
智:「だって…見てたから。」
雅:「“見てた”って…？」
智:「ハト。」
和:「あなたさぁ…見てたんなら、マネージャーに教えてやりなさいよ！(笑)」
智:「だって、言おうと思ったら…」
翔:「すでに、マネージャーが走り出してた…と。」
智:「うん。」
潤:「ﾌﾟｯ！(爆)」
松潤が、涙を滲ませながら、笑い転げていた。
和:「まぁ…あなたらしいですな。(笑)」
ニノが、いつもみたいに“ﾌﾌｯ”と笑った。
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作者名：愁(ｼｭｳ)
| 作成日時：2010年12月17日 15時
