【ソードアート・オンライン】碧き剣士

第37話 唯一の方法 ページ43

コウside

弾き弾かれ切り切られ

元々のレベル差のおかげで
こちらがやや優勢だ

簡単に煽られて突っ込んできたあたり
そこまで頭はキレないらしい

端に寄っているシーランスさんに
攻撃を加える素振りも全く見せない
ひとつのことしか目に入らないタイプらしい

そりゃあ下っぱなはずだよ

けど問題はどうやってこの場から逃げるかだ

闘い自体は勝てる見込みがある
しかし幾ら相手がレッドだからといって
PKしたくはない

俺達の目的はあくまでも
シーランスさんの奪還

彼を連れてここを脱出することだ

戦闘中に背中を向けて走ったりすれば
即後ろから刺されてしまう

安全に確実に逃げ切るためには
こいつらの動きを封じるしかない

方法がないわけではない

相手にソードスキルを使うように誘導し
使用してきたところで剣を弾きキャンセルさせ
一時的行動不可(スタン)に陥らせる
その隙に全速力で洞窟を抜ける

洞窟さえ抜けてしまえば
そこらを狩場にしているプレイヤーがいる
だからあいつらも手出し出来ない

それはわかっているが
俺は実戦でこれを行ったことがない

この方法は随分前にスカイから
PK対策として教わったものだ

ただタイミングが難しいから
あまりオススメはしないとも言われた

けれど今はこれが1番の得策
一か八かやってみるしかない

コウ「イサム！」

イサムの方へ近付き
こっそり作戦を伝える

俺達は背中合わせになり相手を見据え
同時にソードスキルを出すフリをした

向こうはブラフだと気付かずに
ソードスキルを繰り出す

コウ「かかった！行くぞ……せーの！」

カーン

と小気味よい音が鳴り響いた

成功だ

コウ「走れ！」

俺の声とほぼ同時に
イサムとシーランスさんが走り出す

いける！

そう思ったときだった

急に全身に力が入らなくなり
地面へと倒れ込んだのは

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