ATK 8 ページ8
文化祭に向けて着々と準備が進んでいる。
理事長先生の計らいで授業時間は短縮され、準備を中高合同で進める時間が増えていた。
「無一郎君何のコスプレするの?」
「無一郎君!」
予想はしていたが、うちのクラスの女子の一部がひたすらむいちゃんに絡んでいて全く作業をしない。
中等部の子達が一生懸命やっているというのに、何をやっているんだ馬鹿なのかって本気で思う。
「A先輩終わりました!」
「ん、ありがとう禰豆子ちゃん。善逸ちゃんと仕事してた?」
「はい!善逸さんすごく張り切っていました!」
感謝しろよ善逸。禰豆子ちゃんと同じチームに振ってあげたんだから。
役割分担のために振り分けたチーム編成。
私は千寿郎君と一緒が良かったんだけど、むいちゃんの事を予想していたためそこに属している。
へー、とかふーん、とか適当な返事をしながらも手を動かしてくれているむいちゃんには感謝するべきだと思う。
「え!千寿郎君ってやっぱり煉獄先生の弟さんなの?!」
後ろの方でそんな声が聞こえてきて即座に振り向くと、千寿郎君を取り囲むように煉獄先生ガチ恋の女子がたっていた。
あの人たちは千寿郎君と同じチームにはしていないため、サボりが確定している。
「ねぇ、煉獄先生って彼女いないのかな?」
「煉獄先生って……」
は?キレそう。
千寿郎君が困ってんのがわからないのか。
煉獄先生の事なら煉獄先生に聞けばいいのに、そんな勇気がなくて千寿郎君に聞いているのだとしたらとことん許せない。
自分の顔が怒りでピクついているのがわかる。
善逸とむいちゃんがそれに気づいたらしく私の名前を呼んだらしいけど、全然聞こえていなかったよごめん。
「やる気がないなら帰って」
冷たく私が言い放つと、捨て台詞を吐いて教室を飛び出して行ったようだった。
「ごめん、千寿郎君」
「い、いえ……慣れていますから」
眉を下げ寂しそうに笑う千寿郎君を、私は本気で守りたいと思っていた。
この子は煉獄先生じゃない。
皆の憧れ煉獄先生の弟と言うだけで、たくさんの感情を向けられてきたこの子を守りたいと本気で思っていた。
「ちゃんと言い聞かせるから、本当にごめんね」
「そんな気になさらないでください!僕は大丈夫ですから!」
この時気丈に振る舞う千寿郎君の姿が、記憶の中の誰かと重なった。
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炎香(プロフ) - はむえっぐさん» 私のが初めてだなんて恐れ多いです💦ぜひ読んで欲しい作品が沢山ありますので鬼滅沼へようこそって感じですね!笑 心臓大丈夫ですか?😂すごく嬉しいです!読んでくださってありがとうございました(。_。*) (2021年9月29日 14時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
はむえっぐ - はじめまして!!完結おめでとうございます!!!鬼滅の夢小説読むの主様が初めてだったのですがハマりました!!笑笑最後の解説で意味がわかったときはもう、、、心臓潰れました^^本当にありがとうございました!!! (2021年9月28日 23時) (レス) @page23 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - まゆさん» わぁすごい嬉しいです……!めちゃくちゃ頑張れる気がしてきました!!ありがとうございます! (2021年9月20日 11時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - これからも更新楽しみにしてます! (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - myaさん» ありがとうございますm(*_ _)m思いつきのネタで投稿したら大変なことになっていたので驚きましたが、頑張りますのでよろしくお願いします(o_ _)o(o_ _)o (2021年9月2日 7時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炎香 | 作成日時:2021年9月1日 13時