98.ゴリラとニコチンとドSと華 ページ2
息が多分というか絶対止まった。一瞬だけれども。
固まってしまった俺の視界には、最悪なあいつらが写り、隣にいた新八も目を見開いて、絶句していた。
我先に、と飛び込んでいったキャサリンはなにもないところで足を滑らせ、気絶。これで人数が2人足りなくなってしまった。
「あれー?今日は人が少ねーなー。」
「ったく勘弁してくれよ、それでなくとも俺たちは忙しいのによ。」
見慣れたゴリラとタバコを蒸したニコチン野郎を先頭に後ろにはドS皇子の姿も見えた。
「あ、近藤局長?」
お偉いさんには全く興味がなかったのか、座り込んでいたAは近藤と土方の声を拾ったのか、立ち上がってその姿を確認しようとする。
だが、そのAを素早く頭から押さえて、立ち上がらないように銀時は必死になる。「どうした?銀ちゃん。」と尋ねるAに「声がでかい!」と頭を引っ叩く。
その間に新八はまるで漫画の早着替えのようにバスタオルをまき、おさげのカツラをかぶって、顎をしゃくらせる。
「やだー、いらっしゃいませ、真選組の皆様!」
「ん?こんな子いたっけ?」
「おー、いいのがいるじゃねぇですかぃ。」
じろじろと新八を見つめる近藤とさっちゃんの姿にドS精神を燃やす総悟達の視線の合間を縫って銀時はなんとかAを店の奥へ引き込む。
だらだらと冷や汗をかく銀時とは対照的にAはけろっとした顔で繋がれた手を律儀に握っていた。
「銀ちゃん、どうしたんだ?私は今日はオフだと言われたから店に出ても大丈夫だぞ?」
「オメーが店に出て行ったら俺達は殺される!」
「こんな格好させたと知ったらあのニコチン野郎でも怒るんじゃねーか⁉だってお前どうせ高嶺の華だろ!?」とかなんとか叫びながら銀時は必死に出ていこうとするAを引き止める。
「おいおい、俺達は遊びにきたわけじゃねーだろ、近藤さん。このクソ忙しい時にとっちゃんはなに考えてんだか。Aがいなくて助かったぜ。」
「まあなぁ、確かにAちゃんにはこんなことさせたくねーからなぁ。」
近藤はお妙から離れ難そうにするも、今回ばかりは仕方がない、とキャバクラから出て行こうとする。珍しいな、と銀時がこっそりその姿を見つめていれば、「では、将軍様、ごゆっくり。」と総悟が丁寧にその人を迎えた。
「あ、銀ちゃん、将軍様だぞ、あれ。」
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咲(プロフ) - 玲奈さん» すごくそのお言葉嬉しいです…ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします! (2020年5月10日 10時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - ずっと求めていたものがまさにコレ!って感じで凄いおもしいです!更新楽しみに待っています! (2020年5月10日 3時) (レス) id: 4d2b01f996 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。頑張って書いていきます。よろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - シリアスすごいいいです!これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしてます! (2020年5月9日 9時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。ゆっくりだとは思いますが、最後まで見てくださると光栄です。よろしくお願いします! (2020年5月8日 12時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2020年1月29日 23時