100.人違いだと思いたい ページ4
「ったく…とっちゃんにも困ったもんだぜ。将軍様に夜のお遊びをご教授するとは。」
「まあなぁ、でも将軍様だって男だしなぁ。」
「所詮は股の間にぶら下がってるきたねぇもんは捨てきれないってことですぜぃ。まぁ、土方はどうかしりやせんけど。」
「なに?その急な呼び捨て。お前ぶっ飛ばすぞ。」と瞳孔をかっぴらいて土方は拳をギュッとにぎる。「冗談でさぁ。」と全然反省の色がない総悟の態度がまたイライラを募らせる。
近藤はテキパキと指示を行いながら、俺も遊びてぇなぁーとお妙な顔を思い浮かべながら、ぼんやりと扉を見つめていた。
今日は一段と豪華に飾られた扉がなんだか裏めかしい。
ついに取っ組み合いを始めてしまった土方と総悟をよそに近藤はふらりと一目もう一度だけお妙が見たいな、と扉へ近づいてそっと少しだけ開けてみる。
そうすれば先ほどまではいなかった筈の髪を一つに結ったボーイ的な人が直ぐ近くに立っている。少し驚いて、キィ、と扉の音を立ててしまった近藤。
その音に敏感に反応したボーイ、彼はサッと扉の方へ視線を向けた。
バッチリと目があった2人ーだったが、近藤はすぐにパタリ、と扉を閉じた。そしてだらだらと汗が落ちてくる。
取っ組み合いをしていた2人のもとにゆっくり近づくと、視線は2人に向けず、「今日Aちゃんって…」と尋ねた。
「あぁ?Aなら今日は非番をやったぞ。一応潜入捜査2ヶ月くらいしてたからな。報告書はなんの役にも立たなかったが、まぁ、1日くらい休みはやらねぇとな。」
「か、仮に、仮にだよ?もしAちゃんが休みじゃなかったら、トシ、お前ここに来させるか?」
「あー?」
土方は総悟と交える手を離さず、力を緩めずチクタク、チクタク、と考える。ーが、
「いや、流石にとっちゃんになんて言われるか分んねぇし、わざわざ男の汚いとこ見せなくてもいいだろ。別の仕事をやる。」
「そ、そうだよなぁ…。」
近藤はゆっくりゆっくりまた2人の元から離れると、もう一度今度は慎重に慎重に扉の音を立てないように開けて、隙間を確保する。
確保した隙間からちらり、と右目を覗かせると、目の前には見慣れた顔がバッチリと映る。
「近藤局長、お疲れ様です。」
「うわぁぁぁぁぁああああああ!!」
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咲(プロフ) - 玲奈さん» すごくそのお言葉嬉しいです…ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします! (2020年5月10日 10時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - ずっと求めていたものがまさにコレ!って感じで凄いおもしいです!更新楽しみに待っています! (2020年5月10日 3時) (レス) id: 4d2b01f996 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。頑張って書いていきます。よろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - シリアスすごいいいです!これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしてます! (2020年5月9日 9時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。ゆっくりだとは思いますが、最後まで見てくださると光栄です。よろしくお願いします! (2020年5月8日 12時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2020年1月29日 23時