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「ちょ…やめ…」

客 「ああ!?ここはこういう店だろうが!」

おかしい。

私を押し倒そうとする男をはねのけることができない。あくまで女でも私は真選組。力になら自信はあるし、こんな事態何度も切り抜けてきた。なのに…

ー力…はいらないー

着物を剥ごうとする男を止めることが精一杯で、どうすることもできない。何故か。

そういえば、私もこの男と一緒に酒を飲んだ。その時ほんの少しだけ変わった味がした気がする。

ーま、さか…ー

今頃気がつくなんて。警察言っておいて自分で聞いて呆れる。

おそらく、何か薬を仕込まれたのだろう。これが銀時のうけた依頼だろう。吉原では鳳仙の手から免れたものの、治外法権が適応されていないのは確か。

警察が入れないところである。故にもちろん真選組も入れるわけはない。

男を止めるのにやっとの私は固く閉ざされた襖見つめる。襖であるはずなのに私には鉄の壁のように見えた。この事態、銀時は知っているはずなのに、何故助けに来てくれないのか。

この何年かであの男は変わってしまったのだろうか。それとも…私が壁を作ってしまったのだろうか。…あの大好きだった銀時に。

攘夷時代、一度だけ銀時に想いを伝えたことがある。だけれども銀時はその時うまくはぐらかして私へ返事はくれなかった。

振られたもんだと私は思ったからそれからはなるべく普通に、友達として銀時を見るようにした。

それからは恋心は持っていなかったと言えるし、今もないって言えるはず。

だけれども、こんな時助けてほしいと思うのは銀時なのである。

襲われながらも、私は薄く笑った。こんな時でさえ、銀時のことを想い、銀時への気持ちの整理をつけようとしているのか。

何年もそうして来たように。

あの壁は開かない。きっと開かない。

私が固く閉ざしているから。

そう思ってほんの少しだけ涙が出たのにいきなりその固く閉ざされた扉から銀色の光が飛び出して来た。

銀 「大丈夫か!?ちょっと手違いでな、部屋間違えてたみてぇだ。神楽が教えてくれた。って、お前!泣いてんのかよ。」

「え…あ…。」

驚きで言葉も出なくなった私に銀時はこんな事態にもなったのに相変わらず「弱虫だなー。」と告げる。だけどしっかり私を抱えながら。頭を撫でながら。

あの固く閉ざされた壁はもう目の前にはなかった。

熱【沖田総悟】1→←2



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(プロフ) - 雪華さん» 是非、私の勝手な都合で書いている短編集を読んでいただけると幸いです。 (2019年6月2日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雪華さん» おそくなり、すみません。私は自分の好きなようにお話を書いておりまして、お願いされる形で書くのは正直読んでくださっている読者様方をがっかりさせそうで自信がありません。ですのでそう言ったお願いはできかねます。申し訳ありません。 (2019年6月2日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?ドラゴンボールのキャラ×18歳のメイ・チャンの恋愛短編集を作って貰いますかな?メイ・チャンは悟空達の仲間で子パンダのシャオメイと一緒で長男のグリードと次男のエンヴィーの妹を設定で (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年9月17日 0時

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