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沖 「起きたかぃ？」
近藤さんに頼まれ、彼女の様子を見ていた俺は目を開けた彼女にそう尋ねた。だが、彼女は起きたと言うよりも、飛び起きたと言う感じだった。何か悪夢でも見たような。
可哀想にぶるぶると手を震わせ、俺の顔を見ようともしなかった。ただ、「なんで、なんで。」と何度も呟いていた。
沖 「おい？大丈夫か…」
「なんで私を眠らせたの！？」
いきなりヒステリックに声をあげた彼女。その声で、気がついたのか近藤さんも土方さんも駆けつけてきた。
彼女は俺の目をじっと見て、「なんで！」とずっと叫んでいた。だが、叫んだと同時に暴れ出した。何か忘れたいかのように。
「なんで、私が！私が！」
そうなんども叫び、俺のそばに置いてあった刀を手に取り、鞘から抜き始めた。ようやく状況が飲み込めたのか、近藤さんと土方さんも止めに入ってきた。ただもうその時には野次馬がうじゃうじゃとわいてきていた。
「離して！私は！私は！ただ！」
夢と現実との見境が付いていないのか、彼女は悲しくそう叫ぶだけだった。刀を取り上げることはできたものの、暴れるのはまだ収まらない。
女だからと言うのもあるのか、土方さんも近藤さんも俺も、下手に手を出せなかった。だが、土方さんはしびれを切らしたのか、首に一つ、手刀をおとした。
彼女はがっくりと気を失い、またぎこちなく目を瞑った。
なんだなんだとわいてきた野次馬には後で説明すると近藤さんが、追い払い、また俺と彼女の2人きりとなった。
今度は目を覚ました時に暴れても危険がないよう、刀は自室に戻した。
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作者名：咲 | 作成日時：2017年1月16日 1時
