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「もっかい聞くけど。なんでキスしたわけ?」
まあ、私も私っちゃ私だ。キスされて8秒間はぼうっとしてしまったけど、こんなとこで照れてる場合もない。
大体こいつも私なんかとキスして何がいいってこった。
「おめぇ、ほんとにわからねぇのか?」と怪訝そうな顔をするこいつを殴りたい。
キスしたのは総悟のはずだ。なのに何故、私が、質問している私が怪訝そうな顔をされて、質問を返されなければならないのだろうか。
至極不思議である。
「わかんないから、尋ねてんでしょ?馬鹿なの?」
沖 「おめーが馬鹿だろ。」
何をもってこんなこと。どう考えても今の状況で総悟が私に馬鹿だと言える権利なんてあるだろうか。いや、ない。
頭の中で爆発しそうな総悟の態度にもう私は怒るよりも呆れが先に来てしまった。
ため息をついて、「意味わかんない。」と呟いた。
総悟は私の方をじっと見て、私と同じようにため息をついた。今お前が呆れる場所はどこにあっただろうか。
沖 「だから、俺はなんて言った?」
「はぁ?好きって言ったでしょ?だからさ、私はキスって返したよ?」
沖 「好きって言っただろ?」
「はぁ?だから、何回も言ってるじゃん!総悟が好きって言ったから、私はしりとりで…」
「キスって返したよ。」もう一度繰り返しそう言おうとしたのに、私はパクパクと口を動かしただけだった。
沖 「分かったかぃ?」
顔が熱くて総悟に目が向けられない。
「だ、だってしりとりじゃん…。」
しどろもどろにそういったけど、総悟はもう聞く耳を持たないようだった。
沖 「キス、なんて返事してるようなもんでぃ。」
そう言ったのち、また総悟は目を閉じた。
さっき私があけた間をすぐさまつめてしまった。
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作者名:咲 | 作成日時:2017年1月16日 1時