しりとり【沖田総悟】1 ページ31
「……は…。」
何が起こったのか分からず3秒。じっと原因を作ったそいつを見つめて5秒。
合計8秒を使って私はようやく１つ、声にもならない声を出した。
多分私の顔は間抜け中の間抜けな顔だろう。
「な…に、してんの…。」
すました顔をして横にちょこんと座ったそいつに私は、ありえないと言った顔をして、その意図を尋ねた。
沖 「ん？キス。」
違う、そうじゃない。いや、そうなのかもしれないが、私が聞きたいのはそれじゃない。
「いや、だから。なんで、キスなんてしたの？」
冷静さを取り戻してきた私は同時にふつふつと怒りも湧いてきた。
だいたいこいつはなんだってんだ。女の子にキスなんてして、こんなにすましやがって。
ほんの少し悔しくて、私は総悟と距離をとった。
沖 「おめえがキスなんて言ったからだろぃ。」
はいー、待った。状況を確認させて欲しい。
数分前までは、縁側に座って、副長に怒られるも同然できゃっきゃっと騒ぎながら私たちは座って仕事をサボっていたのだ。
まあ、日常茶飯事。今日はその日常茶飯事の暇つぶしで、しりとりをしていた。
相変わらず総悟はドSだった。しりとりを始めた瞬間、瞬間から、ずっと私に回す言葉は、�爐��瓠�
でも私も幼い頃から総悟のこのドSに鍛えられたからか、なかなかに返しはうまかったものだと思う。
ただ、上手いとは言ってもそうなんども何度も、き、ばっかり続けられても私は返す言葉もない。
好き、と言った総悟の言葉に私は一生懸命考えた。
「あっ！キス！」
やっとやり返せた、と思った。なのに、こいつはどうも私のことを狂わせる。
気付いた時にはすでに私の唇は総悟の唇で塞がれていた。
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作者名：咲 | 作成日時：2017年1月16日 1時
