検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:40,858 hit

2 ページ24

沖 「…何をそんなに怒ってるんでぃ。」

「怒ってない。」

ブスッとした顔をしながらコタツの中で総悟を待っていれば、襖をガラッと開けた総悟の一言目がこれ。

説得力はなかったかもしれないけど、少なくとも総悟に怒っているわけではないから許してほしい。

沖 「厄介な怖い目つきの副長と沖田隊長の旧友なんて言いやがるから誰が来たかと思えば。」

「ちょっと待ってそれ私?さっきのびくついた情けない隊士が言ったの?殺す。」

なんだなんだ、厄介な目つきの怖いって、確かに目つきは悪いかもしれないけど!厄介って!

プンスカと怒りながらバリバリと出された煎餅を食べながらお茶をすする。これは怒りが収まらない。故に食欲も止まらない。

「おかわりないの?」

沖 「図々しいやつでぃ。昔はもうちっとおしとやかだったじゃねぇか。」

「人は変わる。故に私も変わる。それに、そんな昔のこと忘れた。」

ずずっと最後のお茶をすすれば、呆れの含んだため息を総悟はこぼしながら「あーあ、素直じゃねぇ、可愛くねぇ。」と私を見て言った。

素直じゃないのも、可愛くないのも私が1番よくわかっている。それに、もし私が素直で可愛かったら。

もしもそうだったら。

きっと土方さんのことは嫌いになってなかったはずなんだ。

ああ、でもそうか。ミツバ姉がいるからそんなことには絶対ならないんだ。どう転んでも土方さんのことは嫌いになるしかないんだ。

先ほどとは正反対にしゅんと1人で落ち込んだ私に総悟は「煎餅とって来てやるよ。」と立ち上がった。

あいつが誰かのために動くなんて珍しい。

トンッと閉められた襖を見つめながら私は昔のことを思い出していた。

3→←思い出【土方十四郎】1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年1月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。