【銀魂】一樹之陰【短編集】 (ページ2)

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沖「俺のせい？最近2キロも肥えたのはてめぇのせいだろぃ。」

「なんなのなんでそんなこと知ってんの死にたいの？」

私が猫目で早口に襟を掴みながらそう言えば、「冗談、冗談。」と謝る気もない。

もう一度盛大にため息をつくけど総悟はもうそんなこと気にしてなくて、「それより、」と話を続けた。

沖「しおり、知らねぇ？」

「知らないよ。大体、本も読まないのにしおりなんていらないでしょ？」

沖「だから、上手になるあんさ「それ、違う。」

一刀両断して総悟の方をちらりと見るけど、無くしたにしては大騒ぎしていないし、そんなに大事なものでもないんだろう。

ここは私が探さなくても良さそうだ。ーと、

沖「大事なものなんでぃ。」

「は…」

こりゃたまげた。こいつの口からこんな言葉が出るなんて。

驚きながら「大事なもの？」と聞けば、「ああ。」とやっぱりうなづく総悟。

「…どんなの？」

ここまで言うなら私もさっきの言葉は取り消して、探そうと腰を上げる。

けど、なぜだか上がらない腰。手を総悟に掴まれ、私は動けずにいた。

「総悟…？」

不思議に思って名前を呼んで見るけど、顔はあげないし、表情は分からない。そもそもこの行動の意図もわからない。

「総沖「てめぇが男にモテないとか、そう言うのはどうでもいいんでぃ。俺がいるだろうが。」

「……は？」

いきなりで意味がわからず、顔を歪ませるけど、総悟は私をぽすんと先程の場所に座らせて、自分は立ち上がった。

沖「四葉のクローバー。探してんの、四葉のクローバーのしおりでぃ。」

「よ、つばのクローバー…？」

ふと思い出させるのは幼い頃私が総悟にあげた四葉のクローバー。泣きそうにしていた総悟に私があげたもの。

「あれ、まだ持ってたの…？」

静かにそう尋ねれば、その返事はない。でも、総悟は私の腕をぐいと引っ張ると私の鼻と総悟の鼻がくっつきそうな距離まで近づく。

沖「てめーを思ってない日なんて一回もねーよ。」

そう言えば、ふわりと柔軟剤の匂いを通わせながら離れていく総悟。

「あーあ、どこ言ったかねぃ。」なんていいながら歩いていってしまったけれど、私は追いかけることなんてできなかった。

早い動機と顔の赤さは、この動機の理由がわからない私に答えを教えてくれてるかもしれない。