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46.疑惑 ページ48

「あの、お、お見舞いに…」
「あら、わざわざごめんなさいね。」

俺とは比にならないくらいの大きな花束を持って彼女、葉月はおずおずと病室の中へ入ってきた。

すぐにベット下の山崎に気がついたみたいだが、さすが真選組。何も動揺を見せずにミツバへ近づき花束を渡した。

「…Aちゃんは知らねーの?」
「今回は仲間はずれらしい。」

すん、とした顔で彼女は俺の隣に座った。「辛いものいる?」と聞けば彼女はバツが悪そうに「実は苦手なんだ…。」と言う。

「あら、そうだったの?あの時一枚平らげてくれたからてっきりお好きなのかと。あれを一枚ぺろりと平らげる人なんてそうそういないのよ?」

悪魔だ、やっぱり悪魔だ、と言う顔をして彼女は引きつって笑った。どうやら笑うのは苦手みたいだ。

話の流れがとんと掴めないが、おそらく彼女らは顔見知り、と言うところなのだろう。めんどくさいのでこれ以上聞く気はないが。

「お前もいるか?」
「いえ、俺は真選組魚肉ソーセージがあるので。」

ベットの下に辛いお菓子をさせ出せば、それを拒否する手がぬっと伸びてくる。

こいつ馬鹿だ、と言う顔をしてAは山崎に呆れていた。監察が偵察で自分から正体バラしに言ってどうするんだ、と基本的なことを言いたそうだ。

「山崎さん、何探ってるんですか。」

ベットに下に顔を潜り込ませて彼女はほんの少し怒ったように聞いた。おそらくミツバが疑われている、もしくはつけられているのが気に入らないのだろう。

「べ、別に…」
「そういえば、副長とずっとコソコソしてるがそれと関係あるのか?」

「大声でバラすぞ。」とヒソヒソと彼女は山崎告げた。ミツバと土方の関係を山崎も理解はしているらしい。

青い顔をしてふるふると首を振って2人で病室から出て行こうとする。

「まて、俺もいく。」

「わりーな、また後でな。」とミツバに告げ、俺も急いで病室を出た。

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作者名: | 作成日時:2017年5月15日 15時

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