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3.年長者の言うことは聞くものだ ページ5

「そうだ!まずは迎えてやらないと!お前らも最初は色々不安だっただろう?それに18歳はもう立派な大人だ!とっつぁんも腕が立つとは言ってんだ!先ずは性別わすれて、認めてやってくれ!」

近藤は伊藤に便乗し、先ほどよりかはマシな答えを出した。総悟もパチパチと手を叩いた。こう近藤に言われてしまって、総悟までも認めてしまったならば、自分たちもそうするしかない。

まだ納得のいかないという顔をしつつもパラパラと拍手をする隊士達。Aはもう一度だけ、深くお辞儀をした。

そうして、まだ不穏な空気の中、宴会は続行されたのである。



「俺さぁ、見たことないんだよね。副長と伊藤さんが仕事以外で会話してるの!」

続けられた宴会の中、Aは端っこにじっと座りながらも、そんな言葉を拾った。伊藤は先ほど挨拶をしてもらった。ならば副長は。

近藤の隣に座り、静かに酒を飲む黒髪の男にAは目向けた。おそらくこの人が土方であろう、と。勿論、それは間違いではなかった。

ー土方、十四郎…ー

名前を聞いたことがないことはなかった。むしろ、Aの世界ではよく聞いた方の名前だろう。松平の警察長官からよく話は聞いていたから。

Aは30分ほどその部屋の隅でじっとそのまま座っていたが、大分皆ベロベロになってきたので、すっと立ち上がり、静かにその部屋を出た。

部屋から離れれば先ほどとは打って変わって静まり返った頓所。Aの足音が妙に響いた。Aは縁側から見える空を見上げて、顔をしかめた。

今日は満月だった。

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作者名: | 作成日時:2017年5月15日 15時

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