副流煙〜『佐野真一郎』 (ページ4)

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若狭side

俺には好きな女がいる。
けど、そいつは俺の親友の彼女だ。
彼奴は真一郎を見かける度に幸せそうな顔をする。そんな顔みたら俺はせめて好きな女が幸せになるように陰ながら支えていこうと思っていた

8月13日
真ちゃんが死んだ

俺は信じられなかった
昨日まで朔夜の好きなところをたくさん言って｢またな｣と言っていたやつが次の日いなくなってるもんだから。
俺は1番に朔夜を心配した

けど彼奴はの顔には涙のあとなんかなかった
むしろ、俺たちに寄り添っていた
真ちゃんの妹を抱きしめて
人前で泣いていなかった弟を連れ出したと思ったら抱きしめていた。その時だけ弟、万次郎は朔夜に縋るように泣いていた
彼奴は最後まで泣かなかった
悲しくないのかと周りはヒソヒソと言っていた
俺もその時はそう思っていた

けど、違ったんだ
真ちゃんが昔言ってたのを思い出した、
真一郎｢朔夜はさ人前で泣かないんだよ、いや泣けないんだ。朔夜になんでか聞いたら泣き方が分からないって言ってたんだ。俺の前では泣いてくれるようになった。けどさ彼奴、溜め込むくせがあるから心配なんだ苦笑｣
あーそうだ。そうだった。
悲しくないはずないんだ。
1番悲しいはずなんだ。

暫く俺たちは少しずつ受け止めていけるようになって、集まった。その場には武臣やベンケイがいた。
けど朔夜はいなかった。
武臣｢朔夜はどうしたんだ？｣
ベンケイ｢なんか、仕事が大変らしいぞ｣
ワカ｢ふーん｣

おかしい、彼奴は仕事を辞めたはずだ。
あの後も仕事なんてやっていない
家に行くか

ﾋﾞﾝﾎﾟｰﾝ
...............
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
ｶﾞﾁｬ!!!!!!

『真一郎!!!!!!』

『え、ぁ...ｳｩｩｸﾞｽｯｸﾞｽ』
ﾊﾟﾀ
朔夜は開けたと思ったら真ちゃんの名前を呼んで泣いた。

見た目も葬式の日から痩せて隈もある。

好きな女がこんな状態になってるのを見て俺は決めた。真ちゃんが大事にしていた子を俺が好きな女を支えていこうと。