【d!】ランプの光に影を落として (ページ49)

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彼女は静かに泣いた
俺達が悪いのに
それでもいて欲しかった
わかっている
それが彼女にとって、最悪なのだと
それが彼女にとって、死と同じことだと
それでも、
それでも…いや

「A、5年間の国への奉仕ご苦労であった。もう日が変わってる。この城から立ち去れ。そうしたら自由だ」

「グルさんｯｯｯｯ！」

「ゾム、もうやめろ。元は止めれなかった我々が悪い｣

「それでもｯ」

「ゾム、諦めも大事やで。Aちゃん、門まで送っちゃる」

「いえ、大丈夫です。外交官様のお手を煩わせる程でもありませんので」

「最後くらい送らせて」

「…分かりました。最後に皆様。私は皆様にお仕えできて幸せでした。今後何があろうとも皆様の幸せを願っております」

そういうと彼女はオスマンと共に温室を出ていった
あと10分もしたらメイド長という縛りからも開放されるだろう
それでいいんだ
それで……