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『ねぇ利久』
「何？」
『屋上行こうよ』
「そろそろ授業始まるよ？」
『サボるの』
「いつもサボってるじゃん？」
『寝るのは仕事だもん！それに、利久と話したいし…』
「LINEすればいいじゃん」
『私は話したいの！画面の中じゃなくてさ』
「うん、行こっか」
『いいの？』
「次の授業つまんないし」
『やった！』
３限が始まる5分前
僕達は屋上へ向かった
君は少し我儘になった
でも僕は我儘に応えたいんだ
それは
君があと少しで死ぬからとかじゃなくて
ただ
君と居れることが嬉しいからだ
屋上に着くなり君は寝転がった
『利久！おいで！』
君があまりにも美しく、柔らかく笑うから
つい写真を撮ってしまった
『撮ってないでほら！早く！』
「はいはい、今行くよ」
少し呆れながらもそう言い近づくと
君は子供みたいに無邪気に笑うんだ
『今週の土曜日空いてる？』
「今週か…うん、空いてる」
『家来て？』
「え?!」
『家来てって、親に紹介するの』
「なんで？」
『私が生きれたら旦那さんになるんだもん』
「僕が?!」
『うん！嫌…なの？』
「違う！僕なんかでいいのかなって」
『利久がいいの！』
「え、なんかありがとう」
『んふ、何しよっかー』
「寝よう」
『だねー眠くなってきた』
「あったかいもんね〜」
『手、繋いで寝る』
「はい、手」
僕は君の手を強く握った
君が僕から離れないように
ずっと傍に居れるように
そう願って
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作者名：鹀慚 muzan | 作成日時：2019年5月18日 22時
