雪が降る夜に【ONE PIECE】 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:46,379 hit

cap6 ページ7

＜ｼﾛｴ＞

首を鳴らす。

暫く、仕事続きで全く休みがとれない。

まぁ、調べる事が多すぎるというのも、今、僕を悩ませているｽﾄﾚｽの原因の一つなのだが。

一番の謎は、ｺｰﾄﾞの消滅だった。

ﾌﾚﾝﾄﾞﾘｽﾄから念話ができた筈のｺｰﾄﾞ。

今はﾌﾚﾝﾄﾞﾘｽﾄに名前すら無い。

消した記憶は無い。

なのに、何故消えているのだろう。

一番最初に考えたのは現実世界への帰還。

でも、ｺｰﾄﾞは現実世界を毛嫌いしていた。

自分から帰るとは思えない。

＿＿＿約束だよ。

脳内で、ｺｰﾄﾞの声が流れた。

＿＿＿もう、絶対に、XXX×XXXXX。

思い出せない、大切な約束。

あの約束は、一体何だったんだろう＿＿＿??

考えても、考えても、考えても、考えても。

思い出せないという事実に絶叫する。

「僕は約束の記憶まで失ったのか＿＿＿!!?」

ｸｿｯ、と机を叩く。

大切な記憶だったのに。

始めに、手帳か何かにﾒﾓしておけば良かった。

やり場のない苛立ちに身を震わせた。

ﾄﾞｻｯという音に顔をあげる。

机の上には、先程までは無かった筈の黒い一冊の分厚い本があった。

白いｲﾝｸで筆記体で書かれた英語。

【Horizon of a memory and record】

「記憶と記録の地平線…著者は＿＿＿」

表紙には書かれていなかった著者。

ﾍﾟｰｼﾞを捲ると文字が書かれてあった。

白いｲﾝｸが滲んでいる。

【Fragment of a memory、蔵書】

「記憶の片割れ…??誰だ…??」

ﾍﾟﾗ、とﾍﾟｰｼﾞを捲ると一行のﾒｯｾｰｼﾞがあった。

【＿＿＿It's presented to you
　＿＿＿Beyond time of 1000】

＿＿＿1000年の時を越えて。

＿＿＿君に贈ります。

「1000年の時…??」

よく分からない部分が殆どだったが。

僕はそのﾍﾟｰｼﾞを捲った。

黒い紙に白いｲﾝｸが浮かび上がっている。

何も書かれていなかった筈なのに、ぼんやりと文章が浮き出てきていた。

「新しい魔法…!!?」

襲ってくる混乱のなか。

僕はゆっくりとその本を読み始めた。