【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ14)

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無事にお花見を終えて。
あの後、メッセージアプリのグループにも入れてもらえた。去年はその存在自体を知ったのは夏ごろだったのに。
自分の初期アイコンのそれが、メンバーの一覧に並ぶのを見て少し、違和感を抱く。

…ちなみに彼らはというと、いつの間にかスマートフォンを持っていて。
見事にそのメッセージアプリを使いこなしていたし、アイコンはいつ撮ったのかわからない制服の、自分の写真。
綺麗な顔をしているな、と若干の怒り、羨み、嫉妬、既に使いこなしていることへの困惑。こちらは行き場のない感情を抱えた。

帰り道、三人並んで歩いていると。
お、という声。二人から同時に。
ごそごそ、と首元を二人して触っているので何をしているのだろう、と見ていたら彼らの手元には光を灯すペンダントが握られていた。

「なんですか、それ」
「あ、敬語抜けとる。何それって言えや」
「……何、それ」
「ロケットとの通信機。多分これ、砂時計の層一つ落ちたな」

え、もう？
戸惑う私を置いてセンラさ、いや。センラくんは何かペンダントを口元に持って行って話しているし。
というか、今志麻くんに敬語の抜けを指摘されたが、学校内だけじゃなかったんだ、これ。
ロケット呼んどいたから、と言う黄色の彼にえ？勝手に来てくれるのあれ？と戸惑いばかり。

次の瞬間、ゴゴゴと聞き覚えのあるエンジン音。
…いや、本当に来ちゃったよ。唖然とする私を不思議そうに見つつ、彼らは着地したロケットの、開いた扉からロケットに乗り込んで。
住宅街に、ロケット。
チグハグなその光景に初めて出会った時の公園を思い出して、既視感を感じつつ私もロケットに乗り込んだ。

やっぱり同じ、柔らかい壁を抜けるような感覚。
自分の姿を見ると、朝と同じドレスに戻っていた。

「…外に出ると制服に変わるんだ、便利だね、これ」
「おう、地球ではこういうのハイテク、って言うんやろ？」

ハイテクかどうかはともかく。ハイテクどころか全人類ビックリである。
制服と比べると動きづらいドレスに戻ってしまったことに、少し不満を抱いて。
いや、ドレスが嫌なわけではない。むしろ、子供の頃の憧れなはずで。ただ今は疲れたから、ラフな格好がいいだけで。
その事をそれとなく「ドレスに不満がある訳ではない」ことを強調しつつ伝えると。
「更衣室にいっぱい服あったんちゃうかな」、と言われて一室に案内された。