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港近くの公園から離れて、灯台の近くへ走った。
彼が待っている。あの誰よりも人間らしくて、綺麗な燃えるような赤の瞳の彼が。
「─────はっ、はぁっ、坂田くん！」
「っえ、A！？」
彼は驚いて目を見開いて。走ってくるとは思わなかったのだろう、私が彼の元へと走るのを見て、あっちの方も走ってくる。
それがおかしくて、荒い息のまま笑ってちょっと呼吸困難になりかけて。
何で笑ってんの、なんて言う彼も笑顔だ。
やっぱり、彼と一緒にいるのが幸せだ。
「告白、されたんやなかったん」
「うん、断った！」
思ったよりはっきり言えて。した方は笑顔になれないだろうけど、私は笑顔で彼に言うことができた。
「好きな人がいるから」、って。
「...アイツ、割とええやつやったのに。吹奏楽にも本気やったみたいやし」
「何、付き合った方がよかった？」
「そ、......それは嫌や」
ふふ、と零して。
さあ、私。頑張って、私。もうすぐそこに見えている、理想に手を伸ばして。
「ね、坂田くん」
「...なに？」
「......今まで、たくさん誤魔化したり適当なこと言ったりして。ちゃんと坂田くんと向き合わなくてごめんね」
「...ん、ええよ、そんなん。」
早くなる鼓動を抑えて。言え、言うんだ私。
「あの、ね」
「うん、うん」
「─────私、坂田くんが好きだよ。誰より───うん、本当に。大好きだよ」
本当の笑顔で、言えた気がする。
ふと、彼の手が私の目元を拭って。
「なんで、なんで泣いてるん」
「え？あれ、ほんとだ。はは、笑ってたつもりなんだけどな」
頬に、暖かい雫が伝って。坂田くんが両手で私の目元を優しく拭ってくれるけど、それでも止まらなくて。
「坂田くん、坂田くんもなんか変な顔、してる」
「なん...変な顔、ちゃうって、もう」
「はっ...あはは、泣いてる？」
なんで坂田くんの方が泣いてるのって私が笑いながら言うと、彼も泣き笑いながらわかんないって。
「おれも...俺も、Aのこと、好き、大好き」
「知ってる、知ってるよ」
「知ってるとか言わんといてや！もう、今のは今までで一番の、好きやから」
意味わかんないよ、って笑って。
いつの間にか、頬を伝う涙も止まっていて。それは幸せを意味する雫へと変化していた。
一人では生きていけないから、一人ではこの世界はあまりにも寂しすぎるから。
あぁ、この人と────この人と、生きていこう。
潮風が、私達の間をくすぐるように吹き抜けていった。
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にやあ確定 - 完成度高すぎる凄すぎる誰にも教えたくないぐらい凄すぎる (2022年11月24日 13時) (
レス) @page30 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
うた猫 - 前回多大なるご迷惑をおかけしたうた猫です…。完結おめでとうございます！これからもたくさん読み返させて頂きますね！お疲れ様でしたー！ (2021年5月23日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずさ(プロフ) - 完結おめでとうございます。全てのお話の細かなところまで凝ってらっしゃってとっても面白かったです。お話の最初の方は何事もなく平穏に進むのに読み進めていくほど不穏になっていく怪しい空気感が大好きです。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年5月22日 17時) (レス) id: b175640c2e (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - お疲れ様でした!!完結おめでとうございます!!一つ一つのお話がすごく凝っていて面白かったです!!とても素敵な作品を書いて下さりありがとうございます！ (2021年5月22日 8時) (レス) id: 0f68482158 (このIDを非表示/違反報告)
もも氏(プロフ) - お疲れ様でした。作品一つ一つ凝っていて読み進めるのが毎回楽しみでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年5月22日 2時) (レス) id: b053dcec20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年5月14日 22時
