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「じゃ、おやすみ」
「うん、おやすみセンラくん」
もう慣れた、寝る前のセンラくんの"世話焼かせてくれタイム"を無事に乗り越えて、彼を見送ってふかふかのベッドにダイブした。…何もなかったように振舞えてよかった。
結局あの後、ギリギリまで志麻さんは寝ていたわけだが。うらたさんが段々と大声で笑うようになって起きても『まだ寝たい』と珍しくゴネる志麻さんを説得、無事にあの二人には見つかることなくすべてを終わらせることが出来たのである。
うらたさんが「Aに膝枕させたってセンラが知ったらセンラに嫌われるぞ〜」だとか「坂田が知ったらマジでうるせえぞ〜」とか、彼のそばで言い続けていた訳だけど。
夢とうつつの間にいたのか、「嫌や…嫌や…」と言いながら唸っている様が彼には悪いが非常に珍しくて、かつ何とも滑稽で面白かった。
途中から私もうらたさんと一緒に笑っていたし。
段々と目が覚めてきた彼は「あれ？うらたさん帰ってきとるやん」と驚いていて。本当に寝ていたんだな、と彼が起きたら笑わないようにと多少は思っていたのにこらえきれなかった。
さて、私もそろそろ眠らないといけない。坂田くんの薬の開発はそろそろ終わるだろうし、粗悪品の話は──何事もなければ、無事に終わるだろう。
何事もなければ、だが。
…悪い予想を立てるのはやめよう。何故か真実味があるし、そんなことを考えていたらそれこそ現実になってしまう気がする。
そろそろ私がここに連れてこられた目的も達成して、無事に解決することが出来るな──
──そう思うと、何故だが少し寂しく感じる自分がいて。
私は彼らからの提案を呑み、同意する形で協力することになった。だが、世間一般的に考えると。彼らと私の間だけで協力関係が結ばれた、が。
あの場はどう考えても不法侵入の上の拉致でしかない。
しかし、坂田くんが言っていたように──私を探しているようなニュース、人々は一切メディアには載っていない。
携帯は研究室に置いてきている為、同僚に連絡はつかないけれど。いくらなんでもSNS等の各種メディアでも何も私の名前が出てこないのは──少し、不審に思う。
まるで、私は最初から存在していなかったかのような。
そんな筈は無いのだけれど。私は確かに今ここにいて、生きている。
…じゃあ、私の居場所は、どこにある。
──いや、これ以上考えるのはよそう。
夜は、まだ長いから。
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結月。(プロフ) - この作品と出会ってから一気読みするほどめちゃくちゃ大好きです。作者様のペースで構いませんので、更新楽しみに待っております。 (2022年2月10日 2時) (
レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年11月24日 21時
