CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ23)

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…直接唾液を貰ってくるわけにもいかないので、うらたさんにお願いしてこっそり彼のお菓子を用意してもらった。坂田くんに直接言って期待させて無理だった、などとも言えないし。

だが、この調子だとすぐにでも出来そうなのだ。分析結果もすでに出ているし、彼特有のエネルギーとされる物質の見当もついた。

後は抽出、形にするだけ。

「…とりあえず、ひと段落はついたところです。あとは安全性が確保できたものを、試しに坂田くんに飲んでもらうだけ、ですね」
「なるほど。お疲れ、じゃあこれからちょっと暇やな？」

少し疑問を抱きつつ、返事をすると「じゃあコーヒー淹れてくる」と彼は実験室をあとにしてしまった。私がやると言っても「えーのえーの」の一点張りで。

…センラくんの世話焼きがうつった？なんて思いつつ。
彼は、マグカップを二つ持って戻ってきたらすぐに私にソファに座れと端の方にある長いソファを指差した。何が目的かわからないが、別にソファに座るだけなら。

座って、貰ったコーヒーを一口飲んでマグカップをテーブルに置いたら。

「じゃ、失礼」

彼はそう言うと、私の隣に腰掛けてそのまま倒れてきて──え？……俗に言う、膝枕の体勢になる。

正直５秒ほど驚いて何も言えなかったのだが、頭の隅の方に『そういえばこの人、うらたさんのあの件の際に足押さえつけてきた際、変なとこ触ってたな──…』という嫌な記憶がよぎったのである。

納得、していいのかしてはいけないのか。あの時は危険人物だと思っていたが、今は別に普通の人だと思っていたのに、今更何で膝枕をさせられているのだろう、という混乱。

「何、してるか聞いてもいいですか」
「…ん？膝枕」
「いや、それはわかってますから」

私を見上げて話す彼は、少し眠たそうというか。若干疲れているのか、声がいつもより低いような。あぁ、だから接触して回復させようと目論んだのか。

「…休みたいなら言ってくだされば手繋いだり何だりするのに…何で膝枕なんですか」
「趣味」
「…うわ」

「なんで『うわ』やねん」という言葉が下から聞こえた気がするけど。でも急に趣味を暴露されても『うわ』としか言いようがないだろう、困るし。

「別に変な事はせんし。それこそ何かやったらセンラか坂田にしばかれる」

セコムに続いてサコムも増えよって…という、眠気故かよくわからないことを彼は口にした。