CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ17)

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「…いや、ほんまに、心配かけてごめん」
「ほんとだよ。俺風呂の前で話しかけても反応無かった時血の気引いたもん」

苦笑いを零す倒れた張本人。本当に、あの時は生きた心地がしなかった。普段飄々としたうらたさんが、余裕の無さげな表情で走っていったところを見ただけでかなり動揺してしまったし。

とにかく、回復してよかった。…過程はどうあれど。過程は。

「で、何で菓子のエネルギー摂取が上手くいってなかったんだよ」
「…いや、あの。申し訳ないんやけどさ…」
「何、言いたくないの？」

こくり、と気まずそうに頷いた坂田くん。その様子を見てうらたさんは心底つまらなさそうな表情をしたが、「まあ、大体わかるしいいわ」と坂田くんにとっての爆弾発言をしたところ。

動揺した坂田くんによる「うらさんどういうこと！？」という大声が響き、うらたさんのからかいモードが発動しようとしたその時。実験室のドアが開く音がして。

「おー、元気そうやんけ。飯持ってきたで」
「まーしぃ！さんきゅ～」

トレーに二人分の食事を乗せてやってきたのは、昨夜ぶりに見る志麻さんだった。彼は切り分けられたサンドウィッチを私たちの目の前のテーブルに置いて、「Aはマジでたくさん食うときや」と私に念を押すように言った。

わ、わかっている。私の体質、能力が不確定なもの故にいつ身体に不具合等が生じるかがわからないから、彼はそう言っているのだろう。

「あれ、センラは？」
「キッチン。笑顔やけどメチャクチャ怒っとる」

あの後私から坂田くんを引っぺがすことに成功したセンラくんは、ぷんぷんとしながらもうらたさんに頼まれて朝食を作りに行ってくれたのだ。

が、あれからずっと怒っているらしい。理由は明確だ。私が一晩中坂田くんと一緒にいたことはまだ許せたのかもしれないが、朝一発目のアレが悪かった。

センラくんの過保護具合はいつまで経っても変わりそうにないな、と新鮮な野菜が挟まれたサンドウィッチを口に運んだ。うーん、シャキシャキの野菜と焼き立てのベーコンがクセになりそうな味だ。怒っていても作る料理は一級品である。

「じゃ、俺はセンラのことなだめてくるから。食い終わったらそのトレーキッチンに持ってきてな」
「…すみません、助かります」

「何でそんな申し訳なさそうな顔すんねん！」とケラケラと笑った志麻さん。だって、少しぐらいは責任を感じるのだ、原因は多分私だし。