CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ11)

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「…坂田がエネルギー量足りんくてぶっ倒れた」

キッチン、テーブルに志麻さんと向かい合って座る。カロリーバーを口に入れた私に彼が告げたのは、先程見た現実と相違ないもの、私が行き着いた結論と一つも違いがないものだった。

やっぱり、私があげるエネルギー量が足りていなかったんだ。俯いてここ数日の記憶を思い返しても──それに、間違いは無かった。

「気ぃ失っとるから、点滴と──あと一晩は多分Aがそばにおらんとキツい、て状況らしい。…すまんけど、一緒におったってくれるか」

こくこく、と頷いて。
彼に力を与えるために一緒にいるのに、今私が倒れてしまったら仕方がないから、と喉を通りそうにないパサパサのカロリーバーを口に詰めた。

…こんなに不味かったっけ、これ。
研究室勤めの時は普通にたくさん、食べていた筈なのに。センラくんの美味しい料理に舌が肥えてしまったのかもしれない。それこそそれが日常になる程に──

その日常が今、失われようとしている事実に。飲み物でそれを流し込んで、飲み込んだ。

しばらくして、センラくんがキッチンへ飛び込んできた。彼に連れられて実験室へと足を運ぶと、医療用のベッドに入院着のようなものを着せられて、寝かせられている坂田くんの姿がそこにはあった。

「…A、来たか」

そのベッドの隣、椅子に座っているうらたさんが私を射貫くような視線で見つめた。思わず少しだけ、怖いと思ってしまったのは私の中に罪悪感があるから、だろうか。

坂田くんを挟んでベッドのそばの椅子に座るように言われ、志麻さんとセンラくんの隣から一歩進み出て彼のいった事に従う。すると、うらたさんが言ったのは少し予想外の言葉で。

「……悪い、まーしぃとセンラは席外してもらっていいか」

頷いた彼ら。え、どうして席を外させたのだろうか。それに対して疑念を抱きつつ、実験室のドアが閉じる音がして数秒後、うらたさんは口を開いた。

「コイツ、自分で一番わかってんのに『消費エネルギー量』が『摂取エネルギー量』を大きく上回ってさっきぶっ倒れたってとこ。今は坂田の中の力…エネルギーの生成を助ける薬を点滴してる。でも、それだけじゃ足りない」

私が一晩中、彼のそばにいなければならない。
そう志麻さんから聞いたと、うらたさんに告げると。こくりと一度頷いて、再度口を開いた。

「コイツが起きたら、粘膜接触で力を分け与えて欲しい」