【d】我々書店 (ページ3)

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↓ 祝福とメシア、絶望ページ3

あの唄が浮かぶ

もう居ないエーミールが作った唄
もう仲間は大半がいない

残った仲間もピリピリしていてどうも空気が重い

皆心を研ぎ澄まし祝福を掴み取るような

仲間はもういない
助け合いなどない
今は恐れるものが多すぎる

結局は続かない

人の友情はいつか消えるもの
そう思えてしまった

次の扉『旋風のロンド』にゾムが誰よりも早く舞う

コネシマは肩にかかるトントンの手を振り払い
『白銀の園』へ行った
彼の目から溢れる歓喜の涙はすぐに凍てついた

9つ目の祝福『マグマの胎動』

トントンは俺の手を振り払い
tn「これが真実だ」
と言い誇らしげに笑った

俺は

あいつらに裏切られ
全ての祝福を取られた

灯らぬトーチを掲げながら祈りの祭壇に続く階段を踏む

ガチャリ

見知らぬ人影
真っ黒で何も見えない輪郭だけのもの

それが喋ったような気がした

「_________ 」

懐かしい声がした

⁇「塔の中に
⁇「封じられし
⁇「祝福と言う名の
⁇「メシアに課せられた
⁇「贖罪
⁇「贄と共に
⁇「乗り越えた
⁇「メシアよ今こそ
⁇「新しき
⁇「楽園の
⁇「命
⁇「つなぎ足せ」

⁇「なぁこれも⁇さんが作ってくれたんやで」
⁇「正確には⁇さんの家に伝わるやつを改変しやけどな」
⁇「そういうことはええねん」

“仲間”の声がした