【文スト】福沢諭吉 恋愛集【男主】

愛が一つ　子の気持ち ページ10

｢…｣ﾋﾟｸｯ


…気配、感じる…。


ガチャ


福｢…｣


やはりな。


やはり俺の福沢さんは伊達じゃないな!!


太｢ほらぁ、来たよ君の父親｣


｢何のことでしょうか｣


国｢社長、何か御用ですか｣


福｢いや、子の顔が見たくてな｣


｢絶対見せない｣


腕で顔を隠した。


全『こじらせてんなぁ…』


福｢ﾊﾊｯ｣


頭に温かいものが乗った。


｢触んな｣


福沢さんを睨み、手を振り払う。


福｢…｣


｢触んなよっ!!｣


ぎゃあああ!!抱き締められたぁ!!


嬉しいよォ!!


福｢愛らしいなぁ…｣


｢離せって!!｣


福｢あぁ…っ｣


無理に福沢さんから逃れた。


これ以上はね、ヤバいから。


福｢ﾊﾊｯ、分かった分かった｣


福沢さんは俺の頬をぐにぐにして、｢仕事頑張れよ｣と言い、社長室に戻っていった。


俺は福沢さんの背を睨み続け、福沢さんの姿が見えなくなって…


｢…っはぁ……カッコイイ……っ｣


福沢さんのカッコ良さに、心酔した。


太｢…こじらせてんねぇ｣


乱｢本当の事言えばいいのに｣


｢福沢さんの為ですもの｣


国｢いい加減やめたらどうだ｣


｢嫌です。福沢さんが本気で嫌がらない限りやめません｣


乱｢社長が本気で嫌がるなんて有り得ないでしょ｣


｢ふふんっ｣


太｢普通にしてれば可愛いのに｣


乱｢子供の頃から可愛かったからな｣


国｢…良いですね、子供の頃のAを知っていて…｣


｢子供の頃かぁ…｣


…福沢さんは俺の両親を殺したんだよなぁ…。


全部、覚えてる…。


その事も踏まえも、俺は福沢さんが大好きだ。


気持ちは何も、変わらない。

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