愛が一つ 距離感 ページ29
福「…」
「〜♪」
子が皿を洗っている。
良く働く嫁のようだ。
嫁の実態は知らぬが。
とにかく私が言いたい事は、子の後ろ姿が何とも言えない。
子が動くたびに長い髪が揺れ、良い匂いが漂う。
また、男にしては細い体躯がより一層何かを掻き立てる。
ぐちゃぐちゃにしてやりたい…。
福「!?」
いけない……それでは私はただのスケベ男だ…ッ。
平常心…ッ……。
目の前に居るのは我が子だッ!!
いやらしい目で見るなッ!!
「何してるの?」
福「!?」
子が手を止め、私を見ていた。
振り向き、不思議そうに首を傾げていた。
襲いたい。
私は自分の欲求を抑え込み、後ろから子を抱き締めた。
すると子は体をびくっとさせ、私を驚き気味に見つめて来た。
福「…なんだ」
「ぇ、いや……福沢こそなに…」
福「…我が子を抱き締めて何が悪い」
「…」
私がそう言うと、子は少し暗い顔をした。
私に抱き締められるのが嫌なのか、若しくは私に「我が子」と言われるのが嫌か。
どちらにしても悲しい現実だな。
「今お皿洗ってるから向こうに行って!」
福「背中が冷えるだろうと思い配慮しているのだ」
「夏だし!!」
的確なツッコミ。
福「私のお腹が冷えているのだ」
「ぇ、じゃあなんか温かいのでも飲みますか…?」
福「……冗談だ」
「もう!!」
福「ははっ!」
ぷんぷんと怒る子を、力強く抱き締めた。
「…心配するからそういう冗談はやめて…」
福「…」
福「…それは、父親としてか。それとも一人の人間としてか」
「…どっちも」
どっちも、か…。
福「…心配ありがとう」
そう言い、子の頬に口付けした。
子は目を見開き、私を凝視していた。
福「…口が良かったか?」
「ばっ、馬鹿じゃないのッ!?」
顔を真っ赤にして、そう言う姿はとても可愛かった…。
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ちぇしゃ猫。(プロフ) - 主人公は作品を見るかぎり三年間家出していたんですよね?それなら太宰さんが最初からいるのは矛盾していませんか?太宰さんは原作の二年前に入社しているはずです。三年前は地下に潜っているはずですが… (2017年10月17日 16時) (レス) id: e07fcaa93c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇしゃ猫。(プロフ) - 私が勘違いしているだけでしょうか?もし見落としていたりしたら申し訳ありません (2017年10月17日 16時) (レス) id: e07fcaa93c (このIDを非表示/違反報告)
流華☆(プロフ) - 面白いし萌えるし兎に角ヤバイです!リアルにのたうち回りました←これからも頑張って下さい! (2017年10月2日 22時) (レス) id: e19105ed29 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 腐腐腐…うまうま(^q^) (2017年10月1日 18時) (携帯から) (レス) id: 7096e0dc28 (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 咲希さん» リアルで叫び悶えました← こういう感じのBLフラグ好きですわ……(´^ω^`) (2017年10月1日 13時) (レス) id: d9d3338933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈佐 | 作成日時:2017年9月18日 18時