××色にそまる ー 短編集。 【仮面ライダー龍騎】

無題【紅】 ページ2

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『めちゃくちゃ不器用だけど、"こういうとき"だけは慣れた手つきするんだよねえ。

そういうの、ちょっとだけヒキョウじゃない？』



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「A」


「なに？真司」


「……好きだよ」



互いに向き合って体を寄せ合っている。


カウンターには既に冷めたコーヒーカップが2個並んでいる。

照明はついているものの極端に明るい訳ではなかった。


雰囲気に身を任せて、流れるように唇と唇を合わせる。

その時間はやたらと長く、段々と息が荒くなっていることにすら気付かない。



腰に手が回り、後ずさりしようとして、――




鈍い音が叩きつけられ、床に倒れた。



「いっ！」


「うお、悪い……！」



2人は(主に真司がバランスを崩したことで)転んだ。

真司がAの上に覆いかぶさるようになっている。



「この、バカ真司！」


「痛っ、悪かったってば」



嫌悪感丸出しの顔をして真司の頭を軽く"どつく"A。

当の真司は若干ばつの悪そうな顔をしているが、笑い声を漏らしている。



先ほどのやり取りがまるで嘘だったかのようだ。




Aは最後に、呆れた表情をしてみせた。



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『ごめん、前言撤回。』



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「(無題)」 '17 9.18

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