検索窓
今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:167,102 hit

文香さんからの電話 ページ4

【文香です。久しぶり。ニュース見ました。
もしかして、私の為にこんなことしてるのかなって。
もしそうなら止めて。お願い。あなたを苦しめたくないの。】



スマホから聞こえてきたのは、文香さんの声だった。



先生は、酷く動揺していた。



そして、自分に言い聞かせるように、



「俺のためだよ。俺自身の為に、戦ってるんだ。」



と呟いた。



するとまた、先生は痛みが襲ってきたようで、薬を漁り、なんとかそれを飲んだ。



そんな先生を、私は支えてあげることができずにいた。



気づいてしまったんだ。



多分この人はまだ、文香さんのことが好きなんだ、と。



「A。こっちに来てくれないか...」



先生は苦しみながらも私にすがってきた。



『...先生は、まだ文香さんのこと好きなんですよね?』



「...だから、前に言っただろ。今好きなのはお前だけだって。」



私は、ブンブンと首を横に振った。



『先生がそう思っているだけです。
...私には、わかります。』



「根拠は?」



『先生は、文香さんのことを考えている自分の顔をみたことがありますか?
私に向けている顔と、おんなじなんです。
だから、先生が私のことを好きなら...それは文香さんのことも好きってことです。』



なるほどなあ、と呟いた先生は、椅子に深く腰掛ける。



「...確かに、文香のことは大好きだったよ。
復讐のために職場を変えるくらいには、愛していた。」



先生の言葉に、私は苦しくなる。



例えそれがいつであっても、先生が私以外の誰かのことを好きという事実が耐えられないのだ。



「そして今も、文香を大切に思っているよ。
さっきはああ言ったが、この事件も半分はアイツのためにやったことだ。
話し忘れていたが、実は文香もフェイク動画の被害者なんだ。
だから俺は、その犯人を追ってこの学校に入ってきた。
そこで、お前と出会った。
その時はもう文香とは別れていたけど、多少の罪悪感を感じながらも俺はどんどんお前に惹かれていった。
そんな中、景山の事件が起こった。
俺は、文香の分と景山の分の制裁を犯人に与えることを誓ったんだ。
...話を戻そう。
文香のことは今も好きだよ。でもそれは、お前が甲斐達に向ける感情と一緒だ。
とても大事な人だ。傷つけたくないし、傷つけたやつは許さない。
けどお前に向ける愛とは違う。
...わかってくれるか?」

甘い口づけ→←発作



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4328人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

真弥(プロフ) - ついつい作品の世界に入っちゃうくらい文章力が凄くて驚きです…!!とっても面白いです!更新頑張ってください!!楽しみにしております! (2021年7月20日 20時) (レス) id: 7cac5604e8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 更新待ってます! (2020年5月30日 13時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - 更新楽しみにしてるので、頑張ってくださいね!ずっと待ってます! (2020年2月16日 22時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
柊一颯LOVE - ゆあさん» 私はゆあさんの感想を見ましたよ私はゆあさんの感想を見て良かったです私は柊一颯が大好きです (2020年1月6日 13時) (携帯から) (レス) id: 0760400581 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 更新まってます!! (2020年1月5日 19時) (レス) id: 5386a12f84 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:、りょうやん。 | 作成日時:2019年8月3日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。