検索窓
今日:6 hit、昨日:17 hit、合計:166,899 hit

目星 ページ18

先生に呼ばれ、逢沢がパソコンを持ってくる。



私は唯月の隣に寄り、唯月の手を握った。



『...ごめん。』



「私も、ごめん...!」



唯月は、私の肩に頭を寄せるようにしてまた泣いた。



何に対する謝罪かなんて、言う必要はなかった。



唯月から受け取ったチップを入れれば、Excelの画面が開いた。
それには、【フェイク動画顧客リスト】と入っていた。



先生は唯月を引き寄せ、しっかりと画面が見えるようにする。



「この中に、景山を陥れようとした人物が居る。」



『...嘘。』



「ちょっと待って。これ見て!」



後ろからやってきたさくらが画面を確認し、皆に見るよう呼びかける。



私はというと、さくらと入れ替わるようにして外に出た先生に腕を引かれていた。



「...驚いたか。」



『そりゃあ...けど、お陰で犯人の目星はつきました。』



先生は私をひと撫ですると、皆の方に向き直った。



「これで少しは、気持ちが変わってくれたか。
まあ勿論、そのリストだけじゃ証拠にならないし、まだ背後には大きな力が働いているかもしれない。
でも、だからこそ!!ここで退くわけにはいかないんだ。
景山の死を、無駄にしないためにも。もう二度と、景山のような犠牲者を出さないためにも!
俺に、協力してくれないか。」



先生の言葉に、先ほどから俯いていた瀬尾が声をあげた。




「さっき先生が言ってた。迷って、もがいて、ダメだった時。傷つくどころか手遅れになるんじゃないかって。犯罪者のレッテルを貼られて、普通の道を歩けなくなるんじゃないか_」
「そんなことにはさせない!!
全ての責任は、俺が持つ!!」



なるほど。それが不安で、瀬尾はさっき手をあげたのか。



「...口ではなんとでも言えるよな。」



なおも疑いの視線をむける兵頭に、先生は言う。



「だったら、これから証明してやるよ。」



『...無茶はしないでくださいね。』



証明という言葉が何を指すかはわからないけど、先生が言うならきっと大丈夫な筈だ。




私は不安に震える手を誤魔化すように、先生の服をぎゅっと握りしめた。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)


←知らなかった



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4328人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

真弥(プロフ) - ついつい作品の世界に入っちゃうくらい文章力が凄くて驚きです…!!とっても面白いです!更新頑張ってください!!楽しみにしております! (2021年7月20日 20時) (レス) id: 7cac5604e8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 更新待ってます! (2020年5月30日 13時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - 更新楽しみにしてるので、頑張ってくださいね!ずっと待ってます! (2020年2月16日 22時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
柊一颯LOVE - ゆあさん» 私はゆあさんの感想を見ましたよ私はゆあさんの感想を見て良かったです私は柊一颯が大好きです (2020年1月6日 13時) (携帯から) (レス) id: 0760400581 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 更新まってます!! (2020年1月5日 19時) (レス) id: 5386a12f84 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:、りょうやん。 | 作成日時:2019年8月3日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。