開いてしまった扉 ページ14
携帯のバイブ音が鳴り、隼人から目を逸らす。
「あ、先生の携帯...」
ボーっとしてしまっていた私は、さくらが携帯を手に取るのを止められなかった。
画面に表示されていた名前は【I】。五十嵐さんだろう。
「今、郡司がフェイク動画の件を探ってる。これもお前の計画通りか？」
「計画...？」
私が携帯を奪うのと五十嵐さんが通話を切るのはほぼ同時だったと思う。
「生徒以外にもぶっきーの協力者が居るってこと？」
「そういや内通者ってまだ誰かわかってねえよな。」
「んなことより、携帯だろ携帯！！おいA、貸せ！これで助けを呼べばいいんだよ！！
...でも掛けたら爆発とかねえよな？」
一瞬のことに抵抗できず、携帯を取られてしまう。
「先生の携帯だから、ありえるかも。」
光多は慌てて逢沢に携帯を渡した。
逢沢がアイコンタクトで私に「大丈夫」と伝えたような気がした。
「皆！準備室が開いたよ。」
遂にこの時が来てしまった。
私は先生の服をギュッと握ると、再び逢沢を見た。
逢沢は頷き、皆と準備室に向かった。
『...さくら？』
「...完全に乗り遅れた。」
そう呟くさくらが面白くて、吹き出してしまう。
「先生もAも、本当にお互いのこと大好きなんだね。」
眠っている先生の頬を撫でる私を見て、さくらが私に言った。
『そう見える？』
「うん。２人共、お互いのこと見てる時本当に胸がいっぱいっていうか、そんな表情してるもん。」
そっかあ、私そんな顔してるのかあ。
だってよ、先生。
眠っている先生にそう語りかけた。
『...開いちゃったみたいだね、下も。』
騒がしくなる美術室に、ハッチも開いてしまったんだと悟る。
逢沢は大丈夫だろうか。暴力を振られたり、していないだろうか。
「...ねえ、Aはどこまで知ってるの？」
『どこまでなんだろう...多分今下に居る皆が知ってる程度のことしか知らないと思うよ。
けど...先生を信じていいっていうのは、はっきり知ってる。』
「前から知ってたの？」
『ううん。最初は、何も知らなかった。
本当に怖かったし、逃げたいとも思ったよ。』
じゃあ内通者は、Aじゃないんだ。
安心したように言うさくらに、少しだけ微笑みを見せる。
ふと美術室の方を見る。
あぁ、どうかあの６人が引き留めてくれますように。
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真弥(プロフ) - ついつい作品の世界に入っちゃうくらい文章力が凄くて驚きです…！！とっても面白いです！更新頑張ってください！！楽しみにしております！ (2021年7月20日 20時) (
レス) id: 7cac5604e8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 更新待ってます！ (2020年5月30日 13時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - 更新楽しみにしてるので、頑張ってくださいね！ずっと待ってます！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
柊一颯LOVE - ゆあさん» 私はゆあさんの感想を見ましたよ私はゆあさんの感想を見て良かったです私は柊一颯が大好きです (2020年1月6日 13時) (携帯から) (レス) id: 0760400581 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 更新まってます！！ (2020年1月5日 19時) (レス) id: 5386a12f84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：、りょうやん。
| 作成日時：2019年8月3日 3時
