笑っていて欲しくて。７ーRyota.kー (ページ7)

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２９８夢主sideー親愛編ーページ7

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おうちでご飯を食べながら

残りの紅白を見届けた

残念ながら紅組は負けちゃったけど

いい経験となったからそれでよしとしよう

その後はジャニーズのカウントダウンを見て

画面に映る兄を不思議に思いながら年越しそばを食べ、眠りについた

───コンコン

翌朝、部屋で台本を読んでれば響いたノック

山田｢入っていい？｣

なんとなく察してはいたけれど

聞こえてきた声に一瞬強ばる心臓

覚悟なら今日寝不足になるくらいしていたというのに

『うん、いいよ』

山田｢あけましておめでとう｣

久しぶりに真正面から見た顔は

どこかぎこちなさそうで

パタンと台本を閉じて

小さくおめでとうと返せば

少し困ったように眉が下げられた

山田｢ちょっと屋上行かない？｣

・

山田｢ううっ、さんみぃ｣

別に超高層ってわけでもない

都内ではほどよく高めのマンション

手入れされた芝生

小さな遊具

昔はよく遊んでたな

球技は禁止なのにサッカーをやってたら

ボールが下まで落ちて怒られたっけ

山田｢懐かしいな｣

ボソッと呟いた涼介の一言が

心情を読み取られたんじゃないかと思ってビクッとしてしまう

『(こんな調子で話なんてできるかな)』

下を向いていた視線をふと涼介に向ければ

ばっちりと目があい、逸らせなくなる

どうしていいか分からず戸惑う私に気づいて

彼は悲しそうに微笑んだ

山田｢A｣

冷えた冬の風に乗って届いた声に込められた感情

それは、私が応えられないもの

いたい。

重くて、苦しい。

それでも逸らせない視線は

｢人と話す時は目を見て話しましょう｣

なんて綺麗な理由なんかじゃない

ただ、他の行き場を見つけられないだけ

暫くして形のいい唇が開く

山田｢この前は悪かった｣