笑っていて欲しくて。６ーRyota.kー

２７５ 夢主side ページ33

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『見てあそこ！すごいきれｯ･･･』









目の前に見える景色に高揚が高まって

走り出した途端なにかに躓き転びそうになった所を


グイッと引き寄せられた









山田｢あっぶね｣


『ご、ごめん』








運動神経はいい方だし

受身のとり方も心得ているし


自分でなんとか出来なくもなかったけど




まさかヒョロい涼介に助けられるとは。









山田｢ったく。ほんとガキだな｣


『もう18になるよ』


山田｢中身が見合ってねぇの｣


『精神年齢はおばあちゃんって言われたもん！』


山田｢アホみたいな自慢すんなよ｣


『･･････。』









優しいんだよ、一応

だけど根本が意地悪なの。この人


口が悪いし、間違いなくSキャラ





そんなことを思いながら

数歩進んで崖からの景色を眺めていれば


なんの御用が差し出された手









山田｢ん｣


『ん？』


山田｢荷物。写真撮るんだろ｣









撮影をするには

私の持つハンドバックは邪魔だと思ったのだろうか



別に腕にかければいいだけなのに









『涼介のお嫁さんになる人は大変だね』









お言葉に甘えて鞄を預けると同時にそう声をかければ



｢は？｣

と、訳が分からないといったご様子









山田｢なんだよ急に｣


『だってさ、こんなさりげなく優しくされたら

毎日ドキドキしちゃって心臓もたなさそうだもん』









確かに口の悪さは否めないけど

むしろそれがギャップを産んでるのだとしたら


それはそれでキャラ勝ちとやらだろう




真顔でそう言ってのけた私に

少し驚いた顔を見せた後、そらされる視線









山田｢んなバカのこと言ってっと婚期逃すぞ｣


『特に予定は無いのでご心配なく』


山田｢とか言ってすぐすんだろ。仲良い奴多いみたいだし｣


『お世話になってる方はたくさんいるけど、結婚したいって思った人と出逢ったことないなぁ』


山田｢あっそ｣


『妹が先を越すことはないから安心して！』


山田｢どーでもいいわ！｣

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