笑っていて欲しくて。６ーRyota.kー

２７２ 夢主sideー旅行編ー ページ30

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『ね！これ被りなよ！』


山田｢は？そんなセンスないもん被れるか｣


『えぇ涼介なら似合いそうだけどなぁ』


山田｢それは遠回しに俺もダサイっていってる？｣









手にした帽子をくるくる回しながら


｢いいと思うのに｣

なんてぼそっと呟けば


ばっ！と横から入ってきたお母さん









母｢せっかくAが推めてるんだしいいじゃない！｣


山田｢いやいやどういう理由？｣


父｢涼介が嫌なら父さんが被ろう｣


『お父さんは似合わないと思うからいいや！』


父｢･･･え｣









商店街で1番初めにあるお土産屋さんで

こんなにも盛り上がれる家族っていいよね






そう、何を隠そう本日は･･･



山田家全員で家族旅行です！















山田｢つか着いた途端土産屋ってなんだよ｣


『いいじゃーん！1店舗ずつ大切にしなきゃ』


山田｢んなことしてたら日が暮れるわ｣


『涼介はせっかちだな〜』


母｢時間はたっぷりあるからゆっくり回ればいいのよ｣


父｢そうそう｣



山田｢なんか今日、俺の味方いない気がする｣








そんなこんなで！


家族水入らずの空間を崩さぬ為にも

一応芸能人である私達は存在感を消し



怪しくならない程度の変装で身を隠して楽しんでおります









『あ、ちょっと私御手洗行ってくる！』


山田｢迷子になんなよ｣


『なったら電話する〜』


山田｢だからなんなっての｣
















・


『さて、右か左か』









御手洗を出た後

兄の言葉を見事フラグ回収した私



どうせ文句を言われるのなら

いっそ涼介を連れてこればよかったと後悔していれば



近くの方で黄色い悲鳴が聞こえた









『･･････?!』









自身にもこういう声が上がることを

やっと自覚し始めた近頃





思わずぱっと顔を下に向ければ


どうやらそれは私宛ではないらしい









「きゃぁぁぁ！｣


「こっち向いて！！」









自意識過剰。恥ずかし



ひとまずほっとして

恐る恐る顔を上げ歓声の中心部を見れば


そこにいた人物に思わず目を見張った









『あ』


「「あ？･･････あ！！」」



『(･･･やば)』









先に声を出したのは私ながら

どうかスルーしてくれ。との願いは見事玉砕









白濱｢愛しのマイプリンス！！！」


『(一番うるさいの来た)』

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