笑っていて欲しくて。３ーRyota.kー

１０５ 夢主side ページ9

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『ただいま』









なんとか発表会も終わり

恐らく成功と思われた今回の劇


給食を食べたら解散で今日は早めに帰宅した









母｢おかえりなさい｣









リビングの扉を開いた途端

鼻腔をくすぐる紅茶の香り









母｢紅茶入ってるけど飲む？｣


『出かけるから平気』


母｢そう｣









一瞬だけ顔を出したら部屋に戻り

ランドセルを置いてすぐに出かける


いつものパターン化した行動を行ってたら

靴を履いてる途中でリビングからお母さんが出てきた




嫌な予感。









母｢今日、学校行事があったのね｣









あぁ、ほら。やっぱり

こういうのはよく当たるの









『･･･うん』


母｢お母さん聞いてないんだけどな｣


『･････････』


母｢A？｣









この空間が何よりも苦手で

だから早く家を出たかったのに









母｢･･･出かけるんだったわね。

約束に遅れちゃ悪いわ。行ってらっしゃい｣


『･･････行ってきます』









伝えなかった私が悪いのは分かってる

答えない私が悪いのも分かってる



それでも全てをダメだと受け入れて

改めようと実行できるほど私は優秀でもなくて









『･･････行ってきます』









扉の閉まる直前

ため息が聞こえたことだって気づいてるよ



そんな顔させて悩ませちゃってごめんなさい

お兄ちゃんみたいになれなくてごめんなさい






だって私は＿＿＿。








【要らない子だもん】

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