笑っていて欲しくて。３ーRyota.kー

１００ 岩田side ページ4

→









予想だにしなかった一言に二人して思わず驚きの声が









『知らない人にはついていけません』


登坂｢お、おぉ。｣


岩田｢案外しっかりしてたんだね。｣


『昔から嫌という程言われてきたので』










そりゃそんだけ可愛ければ

周りも口を酸っぱくして言うだろうね









登坂｢流石に自分の家の前で犯罪犯す野郎はいないし

俺たちの身元はしっかりGoogleが保証してくれるから安心しろって｣


『ネットに載るようなことを･･･？』


登坂｢言っとくけどそっちじゃねーからな｣


『どちらにせよ他人には変わりないので

どうぞ気にせず。お気遣い感謝します』









人との壁を作りたがる中途半端に大人ぶるクソガキ

それが話してみて感じた印象









登坂｢岩ちゃん｣


岩田｢了解っす｣









きっと思ってることは二人一緒


お互いに顔を見合わせて頷くと

全ての荷物を俺が預かって臣さんが少女の前に立ち塞がった









『！？』


登坂｢落ちるから暴れんなよー｣


『おろしてください！！』


登坂｢だーかーらっ、暴れんなっての｣


『私は地面に地をつけていたい派なんですっ』


登坂｢急に意味わかんねぇよ｣









傍から見たら大分やばい絵面だけど

家目の前だし大丈夫でしょ。という謎の安心感



小学生なんて所詮軽いのか

さくさくと進んでエレベーターに乗り込む









岩田｢もう抵抗しないね。呆気ない｣


『どうせ敵わないじゃないですか

2対1で逃げ切れるわけないですし』









えーっと。さっきまでの危機感は一体どこへ･･･？









━━━━━━━━


登坂｢食べねぇの？｣









具材を突っ込むだけの簡単鍋パーティー



俺の隣でちょこんと座る少女は驚くほど順応能力が高く

臣さんに抱えられがらも｢お邪魔します｣の言葉は忘れず


なんなら玄関の靴をしっかり揃えて家に入ってきた




普通知らない場所に来たらそれなりの興味を示すのに

一切周りをキョロキョロすることなく



また、どこか遠くを見つめてるだけ









『今、15時ですよ』


登坂｢おやつ的な？｣


『こんな重い物をおやつに食べたら晩御飯が食べれなくなります』


登坂｢家族仲悪いんだろ？｣


『ご飯くらい普通に食べてますよ』









あ、否定はしないのね。





臣さんがかなり強引だったから


俺は警戒されづらくする為に

比較的優しいキャラで接しようと決めたのはこの時

１０１ 岩田side→←９９ 岩田side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す