笑っていて欲しくて。３ーRyota.kー

１１８ 夢主side ページ23

→









知られたくないとあれだけ言って

この業界で不用意に接点を持たないと決めたのに



母親が絡むと必ずこうだ･･･。









山田｢黙ってないでなんとか言えよ｣









二人で決めたはずの暗黙のルールを

安易に破って来た兄に、今なら素直になれる気がして









『涼介とお母さん。私とお母さん

別の人間なんだから関わり方だって違うよ


いくらお兄ちゃんでもそこまで干渉されたくない』









ムッとして答える私に

更に顔を険しくさせた兄









山田｢だったら仲良くやれよ！

振りでもなんでも！母さんに心配かけんなっ！！！


媚び売んのはお前の得意分野だろ！？｣


『声でかいって。別に媚びなんて売ってないし』


山田｢は？

契約とか言って兄貴つくってる奴がよく言う｣


『あの二人はそういうのなしによくしてくれてるの』









臣くんも剛くんも関わったことないくせに

2人の優しさに触れたことも無いくせに


適当なこと言わないで。









『憶測で人を悪くいうのよくない』


山田｢ﾁｯ･･･。

俺には意見すると思えばそれかよ



憶測で結構。チャラチャラしてんのが悪いんだろ｣









ろくでもないこじつけ









山田｢あのパリピ軍団は未成年とか気にしなさそうだし｣









黙って









山田｢スキャンダルは事務所に潰してもらって遊びまくり｣









喋らないで。









山田｢持ち前のプロポーションならお前も遊び放題だしな｣


『･･････ｯ･･･』


山田｢言っとくけどその顔も身体も母さんから･･･｣









もう聞きたくない。









山田｢･･･っおい！どこいくんだよ！！｣









家族とは思えない言動に

思わず楽屋を飛び出した



後ろから名前を呼ばれたけど完全に無視









自分の楽屋なのに･･･。


どうしてこんな思いしなきゃなの？




やめて、と言っても。嫌だ、も願っても

彼はいつだって私の居場所を奪ってく









『･･･なんで･･。』









こんな生き方なんだろう

こうしか生きられないんだろう





ずっと描いていた

普通の家族に普通の家庭



帰りたいと願う自分の居場所


みんなの笑顔が本当で

ちゃんと暖かさが灯っていて





そんな家庭はあの家にはない









(･･･消えちゃいたい。)









こういうことを思ってはいけないと分かってはいるけれど


負の感情が止められないんだ

１１９ 夢主side→←１１７ 夢主side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す