笑っていて欲しくて。２ーRyota.kー

５４ 夢主side ページ7

・








「青葉夢役の椎名さんはいられまーす」


『よろしくお願いします』









映画暗殺教室のクランクイン日



既に一作品を作り上げた皆はきっと仲がいいんだろうし


実は初対面の人と喋るのが苦手な私としては

続編からの参加は酷な現場であると予想し足を踏み入れた




ちなみに臣君にその事を綴ったLINEを送れば

返って来たのは《大丈夫》の三文字だけ



所詮私はその程度の心配で事足りる女だってわけですよ









『･･････臣くんの馬鹿野郎』









一通り挨拶を終えた私は行き場もなくて


寂しく木陰に一人で佇んで

ツンツン頭を思い浮かべながら軽口を叩く









菅田｢契約兄妹実は不仲説。かな？｣


『菅田さん･･･。』









「いよっ」って現れた菅田さんの笑顔がキラキラ眩しくて

思わず「イケメンだなぁ」と、呟いたら笑われた









菅田｢お兄さん達もかっこいいじゃん｣


『欠片ほどしか優しさないですよ』


菅田｢その表現は始めて聞いたわ(笑)｣


『事実ですもん。菅田さんとは大違い』


菅田｢俺？この数秒で優しさ要素あった？｣


『話しかけてくれました』









どうしていいか分からなかった私からしたら

それはすごく嬉しくて助かる行動









菅田｢なんやそれ

下心あるからかもしれんよ？｣


『関西弁好き』


菅田｢あかん、この子聞いてないわ｣









効果音にしたらケラケラ？

私、菅田さんの笑ってる顔好きかもしれない


それを伝えたら更に笑われたし

あまりに豪快だからつられて私も笑顔になっちゃった









｢二人ともそんな隅っこで何してんのー？」









楽しい時間に浸っていたら



突然の声でﾋﾞｸﾘと、肩が揺れた



なんで話しかけてくるの･･･。



顔を見なくたってその声の主を私が間違える筈はない









菅田｢涼介！急に来るからAちゃんびくッ！ってしちゃったやん｣


山田｢え？まじ？ごめんごめん｣


『大丈夫です』


菅田｢あーあ。折角仲良くなったのに涼介のせいでまた壁出来ちゃったんだけどー。｣


山田｢とばっちり！別に俺いてもいいじゃん！ねー？｣


『あ、はい。どうぞお好きに』


菅田｢ほらー！｣









異様なまでに注がれる視線が

痛みを浴びせるものだということには気づいてる









(･･････最悪。)

５５ 夢主side→←５３ ＮＯside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す