笑っていて欲しくて。２ーRyota.kー

６０ 夢主side ページ13

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「ここをこういう感じで変えて」


『こんなんです？』


「そうそう！いい感じ」









現場の端っこでスタッフさんと

イチゴBerryとしての振りの確認中





剛君のお陰でクランプは多少分かるけど


Theアイドルとして魅せるのはまた違ったものがあって









『･･････可愛いじゃない』









折角環奈さんに教えてもらったのに


どうしてもアイドルらしさってのが出なくて









「そうですか？キレキレでとても上手だと思いますよ！」









スタッフさんは褒めてくれるけど

私的には納得のいかない点がある




用意して貰った鏡の前で振りを確認して


何度も何度もらしさを研究し続ける









「あんまりやりすぎるとメイク崩れちゃうしそろそろ休憩しましょう？」


『あと1回だけ！！お願いしますっ！』


「はいはい。ラストね(笑)」









スタッフさんに呆れられながらも了承を頂き


軽く深呼吸をして最後の練習に挑む




振りは大きく

笑顔を保って

自分を魅せる





踊っていて序盤から中々の手応えを感じた


終わる頃には理想とする踊りに近づけていて









『今のどうでした！？結構いけたと思うんですけど！』


「すごい！今までで一番よかった！！」


『ですよね！やったぁ･･････「危ないっ！！！」･･･』









達成感からか一気に疲労が来て

足元に置いてあった水を取ろうと屈んだ瞬間



誰かのそんな大きな声が聞こえた









『･･･え』









顔をあげるよりも早く

腕を引かれた勢いで後ろに倒れ込む私



耳を劈く近くで何かが粉々に割れた音









「あっぶねぇ･･･｣









驚きでついていけない頭上から聞こえた声と


細身に見えて若干ついた胸板

何度も抱きつかれて覚えたこの匂いは･･･。

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