笑っていて欲しくて。ーRyota.kー

１９ 夢主side ページ21

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―ﾋﾟｺﾋﾟｺｯ


洗面所でドライヤーをしていれば

机の上のスマホがなったことに気づく



片手はドライヤー

もう片手はわしゃわしゃしてるから･･･。









『ヘイSiri！LINEを開いて！』


「･････････｣


『へーいしりぃぃぃぃぃ』


「･････････」


『らーいんをー！ひらいてぇぇぇぇ』


「･････････」








『Siriのポンコツ』


「はい、なんでしょう？」





『･････････え』









お風呂上がりだから身体は温まってるし

なんなら温風浴びてるから暖かいのに



なんだろう。この真夏に怪談を聞いた時の感覚

一瞬にして凍りついていく背筋に思わず身震いがした




ドライヤーを初めて2分

まだ生乾きの髪を他所に思わず電源を止めるも

静寂になった部屋は更に恐怖を増さして









『･･････ムリ。』









それが根源だということも忘れて

焦った私はスマホを手に取るなりトーク履歴の一番上の方に電話をかける









(お願い出て･･･！)









テンテンだかテテテンだか微妙な音を聞き


ひたすら電話相手が出てくれることを願って

心の中で何度もお祈りを









「･･････はーい？」




『でたぁぁぁ！』


「･･･え？」


『あのね臣くん！！Siriがっ！！』


「･･････？」


『喋ったの！』


「Siriって喋るものちゃうん？」


『喋るけど！違うの！！！悪意があるの！！』









ただひたすら伝えるのに夢中で

なんなら自分でもよく分からないまま浮かんできた言葉達を発してく









「え･･････あ、ちょ、･･･！」


『･･････臣くん？』





登坂｢･･････おい、A｣


『は、はい』









突然の怒り口調にふと冷静になって思ったけど

臣君ってあんな声だっけ？てか関西弁喋る？？









『･･････二重人格』


登坂｢あ？何言ってんだ、アホ

今日はメンバーと飲みに行くから電話すんなつったろ｣









あぁ、人格どころか全くの別人だったわけね


ほーほー。納得納得

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