行き宛てなしの人生【長兄チョロ】

後味の悪い物語の続き ページ14

怖い怖い怖い。

一人にすんなよ。


真っ暗な空間で一人、手を伸ばす。


何か手に触れた思っても、融けるように消える。


どっか行くなって。

お兄ちゃん置いていくのかよ？



「……悪霊のたたりにより、ここら辺で命を落とす者が……」



悪霊？なんだよ、それ。

どうってことねぇよ。俺がずっといるから保障する。

それより、ずっと目が見えない。


しばらくして、人間の声は聞こえなくなった。


やっぱりな。

どうってことなかったんだろー。




「悪霊さん。ちょっとお待ちなさい」


悪霊？そういや、前に人間が言ってたな。


「お前だよ」


そう言われ、手を触られる。

うっかり、気を抜いていたら、自分が融けてしまいそうだ。


「あなたの落としたものは、この前世の記憶ですか？それとも恋心ですか？」


「なんだよそれ。俺は知らない」


「確かにあなたは本当だけど、嘘を吐いている。

　そんなあなたには、後味の悪い物語の続きをあげましょう」


何かを受け取った俺は、しばらくこれが何かがわからなかった。


ただ、それがここであり、それは向こうであることは、

俺の手を触った、アレにしかわからないんだろう。

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