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251話 ページ7













A「心の準備ができてない」










自分で言っておきながら

なんだそれはと言いたくなった

Aは今、今年1番と言っていいほど混乱している

送ってくと言われた時点で驚いたのに

何でこんなことになってしまったのか

鳴の考えていることが全くと言っていいほどわからなくて
















鳴「大丈夫、こう見えて体幹めちゃくちゃいいから転ばないよ?」

A「そ、そういう問題じゃなくて…!」

鳴「じゃあどういう問題?」

A「だから…なんでわかんないの?成宮くんのバカ」

鳴「バっ……え、今Aちゃんバカって言った?」

A「言った!!」














わかって欲しいのにわかってもらえない

本当は今、自分でもどうかしてると思うくらい

心臓がバクバクと大きな音を立てて緊張しているのに

鳴にはそれが通じていない

















A「絶対に絶対に大丈夫?」

鳴「うん」

A「重くてやっぱ動かないとかやめてね」

鳴「ないから大丈夫だって」

A「…………どうしても乗らなきゃダメ?」

鳴「…………………うん」













笑った顔でも、拗ねた顔でもない

真剣な顔で真っ直ぐと見つめる姿を前に

ちょっとだけ後ずさる

やっぱりこの人には勝てる気がしないって改めて気づかされた













A「本当に大丈夫?」

鳴「うん、へーきだよ」

A「ならいいけど…」












結局はAが折れて言われるがまま

自転車の後ろに腰かけた

本当は2人乗りなんてよくないのに

心のどこかでは喜んでいる自分がいるのがなんとも言えない














鳴「なんか遠くない?」

A「遠くないよ」

鳴「そう?」













涼しくない生ぬるい風が頬に触れる

何回も見た金髪頭が太陽の光でさらに眩しく光る

話す声が心地よくて、緊張よりも安心感が勝るように
















A「成宮くん」

鳴「なぁに?」

A「あのね、これは…もしもの話だけど」

鳴「うん」














不安定な荷台に置いた手がぎこちない動きで伸びる

指先はかすかに震えていて

伸ばしては引っ込めて思い切り目を瞑っては開くの繰り返し

こんなことをしてしまえばもう二度と戻れない

かと言ってなにか理由をつけて止まれるものでもない

心の中で何度も何度も葛藤を繰り返した

それでも結局、その手は…














A「私が…もしも…」












初恋の人の腰に回った

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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:アニメ
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みこ(プロフ) - 初めまして!途中から号泣しつつ、焦ったくてソワソワしてました(*_*)更新楽しみにしてます! (6月3日 23時) (レス) id: f5c0cfc27f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2022年8月11日 5時

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